
民主主義社会では、いかにして市民となるか?(フランスの公民教育の指導書から)
①自分自身そして他人とともに考え、行動し、自分の考えおよび選択について、答えることができる(自律の原則)
②個人および集団の行動を規定する規則の正当性を理解し、規則に従い、規則に則って行動する(規律の原則)、
③意見、信条、信仰の多様性を認める(自由の共存の原則)
④社会的・政治的つながりの形成(市民の共同体の原則)。
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cycle3(3-5年)の生徒は、制度について理解することを始めなければならない。最も重要なことは、制度の機能を覚えることではなく、制度が体現している原理あるいは価値、そして制度の一つひとつに対する市民の役割を発見することである。
公共サービス
どのように学習するかは教師に任せられる。
公共サービスには次の二つの種類がある。
―グループA→民間によっても保障されうるサービス。例えば、交通(国鉄、パリ市交通公団など)、通信(郵便局)、健康保護(公立病院)など。
―グループB→国によってしか保障されないサービス。例えば警察、軍隊、学校(私立学校が公立学校と同じ教育をし、区別なく全ての生徒を受け入れる場合は、公的サービスと考えられる)。
主題が何であろうとも、生徒は次の考えを段階的に理解するようになる。
この意味を理解するためには、生徒はシンボルの起源を知らなければならない。そして簡潔な歴史を知ることになるだろう。
Le 14 juillet (7月14日―革命記念日)
三色旗やマルセイエーズと異なって7月14日の祝日は、大革命のときではなく、1880年の第三共和制のときに誕生した。
起源そのときまで、国の祝日はカトリックの宗教的な祝日、君主制を讃える祝日であった。脱宗教 laïque をその精神とした第三共和制は、自由を求めるたたかいの記憶に国民を統合させるものを求めていた。そのためには、フランス人の全てが集まることができる行事をおこなわなければならない。歴史はひとつの日を提示する。すなわち1790年7月14日の「連盟祭」。