授業の活力についての言及
教師があまりにも重く考えると、この授業の活力が失われる恐れがある。もし出来事、身分、概念の一つひとつに細部にわたって立ち入るならば、数時間の授業では足りないことは言うまでもないことである。
肝要なことは、いくつかの衝撃を生徒に与えることである。たとえば農民の排除、違う身分の議員とは議論をしないこと、身分ごとの投票にするか個人による投票にするかによって、結果が異なってくることなどである。これらの衝撃は、歴史的出来事そのものよりも、民主主義、市民としての価値、政治的平等といった鍵となる概念により結びついている。
生徒たちが想起するもの
フランス革命に関する生徒たちの報告は、二つの現象に影響されている。
まず革命という言葉が、決まって暴力的な意味に捉えられることである。生徒は、革命、反乱、内戦といった概念を混同する。その結果、革命をこの時期に起こった暴力という観点からしか目を向けないことになる。明らかに生徒にとっては、革命とは、まずバスティーユの奪取と革命記念日なのである。次のことを思い起こそう。すなわちバスティーユの奪取は、戦略的にそれほど重要な出来事ではないこと、そしてバスティーユがもつ象徴的な意味はそれではなく、この牢獄が支配者の自由、すなわち不正義の象徴であったということである。

全国三部会
第20章 1789年の革命 国民議会の誕生
主な概念
政治的な自由、市民としての資格、人の権利
概念の対象
陳情書、全国三部会、憲法制定議会、人と市民の権利宣言
(参照)全国三部会の開催に到るまで
陳情書を作成する選挙人(想像図)