君は、宿題が好きかい?
Rémi Rubin、10歳、小学校5年生、イッシー・レ・ムーリノ市
「嫌い。手が痛くなるよ。ものすごく書くことが多いんだもん。僕の先生は、国語の宿題をたくさん出すし、それにときどきものすごく難しい問題もあるんだ。夜に宿題をやると、時間がかかってしまう。宿題がはかどる時もあるよ。その時はいつもより勉強する。たとえば金曜日の夜とかは、週末にあそぶために宿題を片付けなければいけないんだ。僕は算数が好き。文法より超、易しいんだもん!」
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「フランスは、例外的な国である」クロード・ルリエーヴル
教育史家のクロード・ルリエーヴルは、「被告席に立つ教育政策」の著者である。
どのようにして、宿題を与えるようになったのですか?
クロード・ルリエーヴル―むかしは初等教育において、監督と教育を兼ねたような自習がありました。たいてい教師がおこなっていました。しかし少しずつ教師が教室から遠ざかっていきました。そしてこの自習もおこなわれなくなりました。

ル・パリジャン紙3月26日付
―今日フランスではじめて、生徒の父母の団体が宿題なしの2週間を促した―

私は宿題が嫌い!
こちらは、このところ27度前後の、温かい日が続いています。歩くと、ちょっと汗ばむほどの陽気です。イル・サンジェルマン公園の桜はほぼ満開です。土日は、あちこちでひなたぼっこをしている人を見かけました。もっとも美しく、こころよい季節です。
しばらく更新が滞ると思います。理由は、フランスの公民教科書の種が尽きつつあるということです。歴史教科書も中断したところを再開したいのですが、それよりフランスにおける民主主義、社会的正義についての勉強を優先したいと思います。紹介できる内容が整った時点で、随時アップしたいと思います。イル・サンジェルマン公園のシリーズや新聞記事などは、ときどきアップしたいと思います。よろしくおつきあいください。
少し早足で歩くと、汗が出てきます。もう春です。花たちが、我れもわれもと咲き出しました。
<選挙運動>
あなたの選挙運動は、ほとんど目立ちません。有権者には、あなたが見えない。フランス2は、あなたを出演させなかった。そのことについて、どう思いますか?
―まず、それは事実ではありません。私は積極的に各地を訪問し、多くの市民とであいました。しかし現在の選挙の様子を見ていると、きわめて両極的ですね。まるで2頭の馬が千頭を争っているレースのようです。他の候補者については、メディアは大きく取り扱いません。たとえ私がエコロジストの主張を聞いてもらうために全力をつくしたとしても。フランス2の態度に関しては、スキャンダラスそのものです。マリーヌ・ル・ペンには三度も、出演する機会を与えています。それによって彼女は多数の視聴者を獲得したはずです。私が代表するエコロジストの考えに機会を与えないということは、その存在をすべて否定することです。公共サービスとして、あるまじき態度です!
<裁判、学校、宗教>
企業における男女間の賃金の真の平等は、どのように保証されますか?
―まず男女間の賃金の平等を保証しない企業に、税金クレジット[還付される税金を資産にどのくらい含めるか]を認めないようにします。また平等性と多様性がどれだけ守られているかの、年間の総括をつくらなければなりません。私たちは、女性がどれだけ採用され、昇進しているか等についても知らなければなりません。私は女性を昇進させ、臨時雇用をなくすために、余りにも短い時間の勤務にたいしては社会保障分担金を免除し、すくなくとも30時間の労働契約に対して徴収するようにしたいと思います。それから女性が社会活動に参加できるように、4万カ所に保育所をつくります。
緑の党のエヴァ・ジョリも魅力的な候補者です。記事は前回と同じく、パリジャン紙の「読者と対面」での読者によるインタビュー記事です。
<選挙運動>
FÉLIX BOUILLOUX(48歳、オーディオ・ビジュアルの制作者、パリ20区)
1981年、左翼が共同綱領によって団結し、勝利しましたが・・・
―素晴らしい思い出です。しかし共同綱領をもう一度つくるには、その前に最小限の条件が尊重されるべきでしょう。社会党は、事態にひとりで対処しようとします。今日社会党に影響を与えているのは、社会自由主義[中道左派-訳注]です。だからといってそれが、われわれが共通の連帯をもつ上での妨げになることはありません。政権についている右翼や、伝染力が強い極右から抜け出さなくてはならないという点では、みんな一致しているのです。いずれにしても、世論調査で私が上昇すればするだけ、フランソワ・オランドは演説の内容を左に傾けるのです。ですから、それはそれで意味があるのです!そして最期には、彼の前に立ちたいのです!
<移民、宗教>
PIERRE BONJEAN
あなたは国籍に関する法律について語りました。それは何を含むのですか?なぜあなたは、それをつくろうとするのですか?
―今いるここの建物にも書かれていますよね。「自由・平等・友愛」と。同じ権利、同じ法律の適用。フランス国のどこにおいても!私たちの肌の色は一つだけではない。私たちの宗教も、一つだけではない。他の人と同じように、混ざるのです。私たちはヨーロッパにおいて、国際結婚の記録を保持しています。それは、私たちがもっとも強いところなんです。
<健康、家族>
NATHALIE GALLOUIN(36歳、フランス電力公社のアニメ制作者、ヌーイ・プレゼンス)
治療する手段をもたない人の数が増えてきています。健康は、あなたにとって優先課題ですか?
村野瀬玲奈さんが、社会党のオランド大統領候補の演説を紹介されました。それに触発されて、私も左翼戦線のジャンーリュック・メランション氏を数回に分けて紹介します。パリジャン紙3月10日付にのった読者との対談からです。

「私は、第五共和制最期の大統領になるでしょう」
4月22日におこなわれる大統領選挙の第一次選挙をまえに、左翼戦線*の候補者をサン・ウーアンの本社において対談をおこなった。
* フランス共産党、左翼党、統一左翼が形成した統一会派。欧州議会選挙、地方選挙で躍進した。
温かい日差しに誘われて、イル・サンジェルマン公園を散歩していたら、こんな花たちを見つけました。もう春ですね。気温は18度でした。
1.連帯、それは助け合うこと
連帯する、それは助け合うことであり、相手に友愛を示すことです。そして人と人とのつながりを意識することです。
連帯は、無関心と正反対のものです。連帯すること、それは他人を尊重し、より公平な社会をつくることであり、不平等をなくすことです。それは市民の、あるべき態度なのです。
<資料

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なぜあなたは参加するのか?→若者の答え
何が、あなたを政治への参加に駆り立てるのですか?
1.人種差別と闘うため―51%
2.暴力と闘うため―44%
3.世界で起こる戦争に抗議するため―38%
4.社会における青年の利益を守るため―33%
5.社会的不平等と闘うため―29%
6.エイズと闘うため―28%
7.環境の危機と闘うため―24%
8.あなたが危険だと思う政党と闘うため―18%
9.郊外がよりよくまとまるよう努力するため―14%
10.グローバリゼーションの影響と闘うため―10%
ル・ポアン誌がSofres社に依頼した調査―ル・モンド紙、2001年11月13日号

権力の分離
モンテスキューによれば、「権力が権力を抑制しなければならない」。すなわち立法権(法を決める)、行政権(法を適用させる)、司法権(不法を抑止する)を同じ人たちに委任できません。そうでないと、独裁になる恐れがあります。
フランスの中学4年(日本の中3)の教科書「市民教育」から、ふたたびラ・マルセイエーズについての記事を紹介します。
ここでは国民教育省の公報と、現場の教師の意見を紹介しています。
当時の国民教育大臣のジャン-ピエール・シュヴェーヌマンは、フランスでも指折りの共和主義者で知られています。公報の文には、共和主義者としての彼の心情がよく現れています。
他方現場の教師は、ラ・マルセイエーズの歌詞の問題点と、それを教えることの意味を問うています。そして彼女は歴史的資料として教えると語っています。
これを読んで私は、2009年サルコジ政権が全国のリセ(高校)に、17歳でナチスによって銃殺されたギィ・モケを記念して、彼の手紙を読むことを指示したことを思い出しました。その日のリセの様子をリベラシオン紙が伝えています。これもあわせてお読みください。
「ギィ・モケの手紙―フランス人は押しつけを好まない」
フランスでは、公共サービスは、国家が責任をもつ公衆へのサービスを意味します。警察、教育、健康、鉄道輸送、電力の供給などの公共サービスです。20世紀に公共サービスは拡大しました。フランスは、福祉国家になったのです。
公共サービスは、機能するにあたっての大原則にしたがっておこなわれます。すなわち、どれほど経費がかかっても、どのような条件のもとでも、継続されなければならないこと。そしてすべての市民が、フランスのどの地域に住んでいようが、平等に利用できることです。しかしながら今日、公共サービスと国の役割について再検討がなされようとしています。民営化は、公共サービスの一部で始まっています。
ルーヴル美術館でイタリア彫刻を楽しみました。ちょうど午後の光りが射し込み、幻想的な空間が現出しました。

アントーニオ・カノーヴァ(1757-1822)の作品。瀕死の状態にあったプシュケーが、愛の象徴である天使の口づけで蘇生するというプラトン神話を題材にした大理石の彫刻。1793年にローマで制作。

ル・マン駅(サルト県)での、国鉄SNCFストのピケ
1995年の冬、パリ地方は大規模のストライキによって麻痺状態になった。経過を追ってみると、予想外の拡大をみせたこの危機に関わった人たちが見えてくる。
フランス国歌ラ・マルセイエーズについての議論を紹介している、フランスの中学4年(日本の中3)の教科書「市民教育」を見つけました。
何の気兼ねもなく、自由に自分の意見を述べる社会、それを中学生の教科書に載せて、生徒に考えさせる社会っていいですね。
どこかの国では、選挙によって自分は民意を得たといって、市民の意見に耳を傾けることなしに、問答無用の行政措置で市民(教師)の良心の自由を侵している社会もあります。議論を尽くす社会こそが、真の民主主義社会ですよね。

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