
やがて二匹は、小川のほとりに出ました。
「あれを見ろよ」デカ灰ウサギが指を指しました。「ここにも、俺たちのところにあるベルトコンベアがあるんだな!」
「あれはベルトコンベアなんかじゃないよ」とチビ茶ウサギが言いました。「水が流れているんだよ」。
「でも、動いているし、音もしてるぞ!」
「水も動くのさ。そして音も立てるよ」とチビ茶ウサギが答えました。
「あたりまえだ」とデカ灰ウサギ。
「みんなが知ってることさ。でもどうしたら向こうに渡れるんだ。それが問題だ!」
スポンサーサイト
LEO
・作者 Robert CRAUS、josé ARUEGO、1972年
・対象 小学校1年
・扱う概念-違うことの尊重
この絵本は、大人たちに語ります。「子どもたちを自由に生きさせてください。あなた方の期待に応える子どもたちになるのを早く見ようとして、台無しにしないようにしてください」。そして子どもたちには、「未来を信じなさい。あなたたちは、いつか大人になるのです」。

子どもの虎のLéo は、他の子どもたちのようではありません。しかし辛抱強い子です。ある日Léo は、遅咲きの花のように、才能を開花させました。そして次のように言うことができるようになりした。
「ボクにもできるのだ」。
4.目標の共有
授業で学ぶこと(平等、違うこと、人類の一体性といった概念)を、子どもたちが少しずつしっかりと把握できるようになるために、この絵本に関しての「目標を共有」して進めましょう。
3.Hélène RayのJuliette a-t-elle un grand Cui ?を読む。(小学校2年向け)
JulietteとAhmed
クラスは、新しい仲間を迎えました。アーメドという名前です。変わった名前です。
「私の弟の名前みたい」とジュスティーヌがいいました。
「ジュスティーヌ、あなたの弟はアーメドという名前なの?」と先生が聞きます。
「いえ、弟はいつも、アー・・・メド!と言うんです。弟はパパのように言いたいんですが、なかなか言えないんです」。
みんな笑いました。
「70億の顔」Sept milliards de visages
作者 Peter SPIER 1981年 45ページ
小学校のすべてのクラスが対象
1.到達点あるいは出発点
―50億の顔は、異国の人々の奇妙な風習が生徒を唖然とさせ、クラスの中に嫌悪感や嘲笑といった反応をもたらすこともあるかもしれません。子供たちが、自分たちの文化が普通だと思う気持ちは自然な態度です。この本は、それを超えることができるでしょう。子どもたちに、ペルシャ人の目から自分たちの文化を見る視点を提供します。
―またこの絵本を、自分の関心、あるいはクラスにいる子供たちの出身の多様性(居住形態、文字の表記システムは受け入れても宗教からくる料理法は残る)と結びつけて、別の探求をはじめる出発点とすることもできます。そして他国のペンフレンドと手紙のやり取りをすることにもなりうるでしょう。

私たちは、それがどんな動物でも、相棒にすることを好みます。
そして私たちは、それぞれ違った日に祭りをおこないます。
第2章のLéoがまだ手に入っていませんので、第3章の「70億の顔」から紹介します。なお前回「50億の顔」と旧版のタイトルのままで紹介していました。お詫びして訂正します。

私たちは地球上に70億いる人間の一人です・・・そして各々はみな違います!絵本は、文と絵によって、この違いを探求します。それは個人間であったり、グループ間の違いであったりします。誰も誰にも似ていない世界って、素晴らしくないですか?この本は、面白くたくさんの例を取り上げています。そしてもっと先へ進むことを促しています。この本は単純化していません。でも4、5歳の子どもも近づきやすくできています。寛容へと誘う元気が出る本です。
3.他の人と同じようになることは、違いを受け入れること?
物語をつくらせてみる―あなたが直毛の女の子だったら、どうするか?
ここで取り上げる概念は、
平等、そして異なることを受け入れることです。自然的な差異(人間=人間という方程式なんて馬鹿げてる)から、尊厳および権利における平等の概念へ、生徒たちを導きます。そしてこの過程こそは、人間性の獲得の長い歴史なのです。しかし今もって、繰り返し獲得されるべきものです。
「学校で人権を読む」シリーズの最初は、「縮れ毛の髪の国で、縮れてない髪の女の子が生まれた」です。
・作者 Evelyne NOVIANT、1978年収穫月[フランス革命暦6/19~7/18]発行
・小学校1年生が対象
縮れていない髪の女の子が生まれました。でも縮れ毛の子どもたちからからかわれ、女の子は泣き出してしまいました。女の子は縮れ毛の子たちのように振る舞いますが、うまくいきません。みんなが、違っていることはおもしろいということを発見するまでは。

縮れ毛の髪の国で、縮れてない髪の女の子が生まれた
日本の電力会社は、福島を襲った津波の危険性を過小評価していたことを認めた。東電がこのような告白をおこなったのは初めてである。2011年3月11日に事故を起こした福島の原発を経営するこの電力会社は、津波の危険性を過小評価していたことを金曜日に認めた。なぜか?それは東電が、安全性を改善するために、原発の運転を停止しなければならないという怖れを抱いていたからであった。東電は、32ページにわたる報告書のなかで、この告白をおこなった。原発に大損害を与えた津波から1年半が経過している。
本を読む三つの目的
第一の目的
推薦した10冊の本を読むことによって、歴史的事件(大革命、奴隷制度とその廃止、19世紀における労働者のおかれた状況および社会紛争、無償の義務教育の創設、第二次世界大戦と解放など)、そのなかで中心的役割を果たした人物(コンドルセ[大革命]、シュルシェールおよびヴィクトル・ユゴー[奴隷制度廃止]、ジャン・ムーラン[フランスの解放]、ルネ・カッサン[世界人権宣言の起草])、様々な国における人権をめぐる状況、様々な文化、人権を記した代表的な条文、とりわけフランス共和国憲法が基礎を置く1789年の「人と市民の権利宣言」、そして1948年に国連が採択した「世界人権宣言」についての知識を得る機会および第一歩となる機会をあたえることです。
またブログ主の気まぐれで、しばらく「学校で人権を読む」という紹介をしたいと思います。