<授業において発揮すること>
・個人的な作業および共同作業
・考えたことをメモする。
・討論。
・民主主義の行為(投票)
<参考にする条文>
・1958年憲法など
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授業1-入門
・教師がクラスの代表を指名してよいか?を問う。
・批判精神を奨励する。
・他人が決めるのが当然であると思うかどうかを問う(教師は生徒ではない)。
・そこで代表についての練習問題を配る。
・できれば問題に答えた後で、なぜそう答えたかをみんなの前で発言させる。
・次のことについて討論し、「論証する」-とくに論証-。力が強い、背が高い、容姿、性別、その他の「生まれつきの特質」、あるいは「差別」(次の授業のテーマで「差別の拒否」を扱う)によっては、「すべての」生徒の代表とはなりえない。投票によって民主的に指名されなければならない(討論は一つの例であるべきであり、生徒は自分を表現し、他人に耳を傾ける)。そこで代表の資格はなにかについて考える。それはクラスの声に耳を傾け、全体を代表することであり、クラスの代弁者であることである。
・生徒と一緒に考えた次の言葉を、生徒に書き取らせる。「私たちのクラスの代表は、投票によって選ばれなければならない。これが民主的である。代表は私たちのクラスの代弁者となり、『生まれつきの特質』という基準や、『差別的な』基準によってなるのではない。
授業2-私たちの代表を選ぶ選挙(2時間)
・黒板とノートに次のように書く。民主主義とは何か?
・自分の言葉によってこの言葉を定義するよう生徒に告げる。
・代表の選挙に取りかかる。
・候補者たち(そして代理人)を呼び出す。
・選挙活動を始める(期限を決める)。ポスター(前の授業で問題にした点に注意する)とスローガンは、生徒を民主的な雰囲気にするものであって、競うものとなってはならない。選挙期間はかなり長い時間を要することに注意(選挙を予告する2時間の授業は、含まれない)。
・投票用紙、投票箱、さらに市役所から借用した投票用紙選択場所(生徒に選挙に関する語彙を思い起こさせる)によって、選挙にとりかかる。
・二人の生徒とともに開票する。二人の生徒は、選挙がうまく進んでいるかを確認し、票を記載する(絶対過半数の計算)。
・記録を作成する。
・生徒全員の参加を讃える。
授業3(市町村役所見学+30分)
・市役所見学は、自分たちの市町村の議員がどんな役割を果たしているかを具体的に理解し、質問し、共和国の象徴を見ることを可能にする。
・市町村長の任期について勉強する。
授業4-県議会見学(2時間)
・できれば議員を生徒に会わせる。さもなくば、県あるいは国の段階において、各々の能力に応じた具体的な問題を通して、民主主義とはなにかを理解する。
例えば、
-県議会へスクール・バスで行く。
-法律ができる過程(法案について投票した議員に聞く)「法律の練り上げ」。
-国民投票(大統領の任期5年制についての2000年の国民投票)による憲法の改定は、棄権の概念とその危険性を思い起こさせる。
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<評価>
議員との会見は、投票を前にして、経験や態度を形成することになるだろう。そしてそれによって、生徒は民主主義がどういうものか、つまり他人を尊重し、少数派を軽視しない多数派の勝利、権利と義務を「把握」することになる。
<注意点>
授業時間の配分は、生徒の関心の水準と能力に応じておこなう(1時間のうち約45分は「理解」に充てる)。
新聞での政見発表および選挙結果を基にして、現実(市町村議会、県、国民議会、欧州議会など)の選挙から出発するという機会を持つ、民主主義に接近するより具体的なもう一つの方法である。
選挙運動の期間は限定しなければならないが、ポスターの作成は時間がかかるであろう。
クラスは民主主義ではない、しかし代表の選挙は民主主義の過程であるということに注意を払わなければならない。
<代表についての練習問題>
われわれの中から代表を決めよう
私は次のような候補者が好ましいと思う。
-最も強い。
-最も年上。
-最も年下。
-最も美しい。
-最も背が高い。
-他のことはどうでもいいが、男である/女である(私はこれを重視する)。
-最も上手に話す。
-最も大きな声で話す。
-これらの提案のどれにも満足しない。
<資料>
投票についての練習問題(民主主義とはなにか?)
国の主権は代表によって行使し、国民投票によって国民に属する。選挙は常に平等、秘密の普通選挙である。(1958年のフランス共和国憲法第3条)
1.われわれの民主主義における権力(主権)は誰に属するのか?
-国民。
2.どのようにして行使するのか?
-選挙によって。
3.選挙とは何か?
-投票。
4.なぜ普通選挙か?
-すべての国民がフランスで投票権をもつ(いくつかの条件の下で多数派になる、フランスの国籍をもつ、そして欧州議会選挙、州選挙)。普通選挙は1848年以降(それまでは納税額に応じた制限選挙で男性のみ。すなわち投票権をもつために税金を払わせる。「富を持つ」男性が投票できる)。女性は1944年から。
5.なぜ選挙は平等というのか?
-年齢、性別、皮膚の色、社会的条件にかかわらず、1票は1票。
6.なぜ選挙は「秘密投票」というのか?
-各人は投票用紙選択場所で自分の信念に従って投票する。投票用紙は、封筒に入れて封をし、投票箱に入れる。
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