小学校5年 差別の拒否
<目的>
-日常から差別と闘う
-差別を拒否する
-平等が勝ち取られてきた道程を理解する
-他人と自分との差異を尊重することを学ぶ
<能力>
他人を尊重する。とりわけ男女の平等の原則を。権利と義務の概念を理解する。対話に参加する。
決まりを自ら守り、自己評価を始める。
<取り組む姿勢>
個人的にメモし、集団で話しあう(一つの情報を得て、他の情報と比較し、蓋然的な条件を取り除く)
個人的な学習
市民的な討論
<参照する条文>
-人と市民の権利宣言(1789年、第1条)
-世界人権宣言(1948年、第1条および前文の抜粋):国際連合の諸国民は憲章の中で、人の基本的権利、人格の尊厳と価値、男女の諸権利の平等において自らの信念を改めて宣言し、そして社会進歩を促進し、より大きな自由において生活条件の向上を打ち立てることを決意した」ことを鑑み・・・
-人種差別に関する二つの法律の条文:1972年1月1日のプレヴァン法および1990年7月13日のゲソ法
-権利と機会の平等、障がい者の参加と市民としての資格に関する2005年2月11日の法律2005-102
<資料>
-関連する条文
-質問表(文と絵、年表、図表)
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5授業-5時間
<授業1>
入門(1時間)
性差別の拒否
・資料1を配る。
・各資料の主な理念を抽出させる(各自ノートに書く)。
・性差別主義と差別を定義する(集団で討論)。
・問題点を明らかにする。
・意見を出させる(集団で討論)
<授業2>
平等の獲得(1時間)
平等の獲得の歴史を語る
・子どもたちに年代順の空欄を与え、平等を獲得してきた出来事を書き込ませる。。
・結論を導き出す。
平等は今日、フランス共和国の最も重要な原理のひとつとなっている。平等は長い闘いの結果である。しかし差別は、この基本的な原理をもう一度召喚する。すなわち1972年の法律(プレヴァン法)は、この原理の名において、差別を有罪とした。
<授業3>
そして今日では?(1時間)
・生徒に次の質問をする。たとえば「なぜフランスで、性差別主義がまだ残っているのか?」(考え方の変化は時間がかかる)
・クラスで、次の言葉を手始めに討論を始める。「女の子が片付けるのが当たり前。だって女の子の仕事だもの」あるいは「女性はみな、運転が下手だ」、「子どもの世話は、母親がするものだ」、「男はみな、日曜大工ができる」、「力仕事はみな、男がやるものだ」など。
・たとえば性差別の他に、どんな差別の形態を知っているかと生徒に尋ねることによって、差別の範囲を拡大する。
<授業4>
今日、差別と闘う(1時間)
・生徒に、資料「今日、差別の闘う」(CD-ROM)の練習問題を自習させる。
・意見を出させるために、一緒に添削する。
<授業5>
結論-違いがあっても、平等(1時間)
学んだことを要約し、記録帳に書き込む。
記録帳
私たちはみんな違う(皮膚の色、性、国籍)。しかしみんな平等。人が豊かになるのは、他人の尊重、自分との違うことの尊重においてである。法は、われわれにそれを思い出させるためにある(平等は、長い闘いの成果である)。しかし、われわれは今日においても闘わねばならない。なぜならば、差別はまだ今日のフランスに残っているからだ。たとえば障がい、身体的外見、学校の成績などにたいする差別である(人びとの考え方は、法律よりも遅く変化する)。だから闘いは決して終わることはないであろう。
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<評価>
子どもの労働について資料を見つける(例えばユニセフのサイト)。そして生徒に不平等を理解させるために、働いている子どもたちが置かれている状況と、生徒たちのそれとの不平等を生徒に学ばせるために、質問事項をつくる。
基本的には性差別主義の拒否を拠り所にしながら、資料3[日常における差別との闘い]にある差別の形態、その他の例についての練習問題をつくる。
<注意事項>
フランスにおける(絶え間ない、そして決して終わることがない)平等を求める長い闘いを協調する。年表(資料2)を活用する。あるいはもし男女の平等を扱うならば、他の日付(たとえば1965年の民法典の改正-女性はもはや夫の保護の下におかれることはない、1975年の妊娠中絶についての法、1983年-男女間の職業における完全な平等など)を置きかえてもよい。
<資料>
資料1-入門の練習問題、状況-問題点(CD-ROM)
資料2-平等の獲得についての年表
資料3-日常における差別との闘い
関連する他のテーマ
共和国の標語(14章)
基本となる条文-憲法(17章)
女の子と男の子-違っていて平等(50章)
<資料2>
平等の獲得の年表
男たちそして女たちが、平等を勝ち取る。
1789年 人と市民の権利宣言(フランス人が臣民から市民になる。臣民は従い、市民は決定する)。
1848年 フランスにおける奴隷の廃止および普通選挙(男のみ)。
1881-1882年 教育は、6歳から13歳までの義務制、無償、脱宗教となる。
1944年 女性の選挙権(フランス)女性が最初に選挙権を勝ち取ったのはニュージーランド1893年であり、ごく最近ではクエート2005年であることに留意させよう。
1945年 社会保障制度の創設
1948年 世界人権宣言
さらに・・・
1972年 反人種差別に関連する法、いわゆる「プレヴァン法」。1990年の「ゲソ法」によって補強される
1987年 障がいをもつ労働者を優遇する法律
1989年 子どもの権利にかんする国際協約
1992年 マーストリッヒト条約:欧州連合加盟国に居住するすべての市民が、市町村選挙で投票できる権利
2002年 両親が父親、母親のいずれの姓、あるいは両方の姓を子どもに与えることを可能にする法律。
2004年 差別撤廃最高機関HALTEの創設
2005年 障がい者の権利および機会の平等、参加と市民としての資格に関する法律。
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