アウシュヴィッツ収容所を訪れて(その3)

労働監視の囚人用の部屋
収容所には、簡素な個室もありました。これは優遇された労働監視の囚人用の部屋です。囚人の中には、このほか死体焼却、没収品の仕分けなどの係がいました。すべて親衛隊の管理下にあり、定期的に殺され補充されました。
囚人たちによる組織的な暴動が起きなかったのは、言葉の違いによる意志疎通ができなかったことと、囚人による囚人の監視が効果的だったこと、色つきワッペンで囚人の中に階層をつくり、相互に差別意識を持たせたことだと、ガイドの方は説明してくれました。
アウシュヴィッツ収容所内の病院は常に満杯でした。医師は、回復可能な者とそうではない者の選別をおこない、ガス室に送ったり心臓へのフェノル注射を打ち死亡させました。また医師たちは、双生児や小人症者にたいして生体実験を、あるいは健康な男女にたいして種の生物学的絶滅のための断種実験をおこないました。
こうした中で少し救われたのは、収容所の過酷な生活のなかで、囚人たちは文化的あるいは宗教的な行事をおこない、芸術家は密かに芸術的創作をしていたことです。
囚人とくにユダヤ人から奪った貴重品はすべて分類され、ドイツに送られました。金歯は金の延べ棒にされました。金何キロと記載された送り状も展示してあります。また女性の髪はドイツの会社が引き取って、布地やマットレスにしました(その布地も展示してあります)。死体から金歯や髪を分離する作業も、囚人の仕事でした。
その展示品を、いろんな国のいろんな年齢の人が見ていました。おたがい顔をあわせず、それでいて同じ思いを共有している、そんな雰囲気でした。
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