*これはフランスのLycée 1(高校2年に相当)で使われる文学・社会経済コースの仏独共同教科書です。
第三帝国のプロパガンダと文化政策 その1 総統が語る(1939年) Paul Mathias Padua(1903年~1981年)が描いた、ナチスのプロパガンダ絵画。「人民のラジオ受信機」、すなわちジョゼフ・ゲッベルスが低価格で売り出したラジオ(人々がゲッベルスの鼻面と呼んだ機械)によって、国家ラジオ省の指示に従って制作された番組を聞く家族。
芸術、映画、ラジオは、世論に影響を与え、国家社会主義者のイデオロギーを広めるのにめざましい役割を果たした。「ナチズムの幻惑」(Peter Reich)はとくに、レニ・リーフェンシュタールによってつくられた、党大会や1936年のオリンピック大会のようなフィルムのなかで描出された。1933年3月13日には「国民教育および宣伝省」が新設され、ジョゼフ・ゲッベルスが、世論と膨大な情報を独占した。1933年9月の国家文化省設置法の制定によって、すべての文化創造者が、自分の分野の組合に所属することを強制された。
服従しない芸術家や知識人は創作活動を禁じられ、幾人かは亡命し、他の幾人かは、直接ナチスに協力しないが、順応するように自らふるまった。
映画の全体主義的美学 ドイツの映画監督レニ・リーフェンシュタールが1934年に、ナチ党の大会を撮った、プロパガンダ映画「意志の勝利」の一場面。
プロパガンダの秘密 1933年3月25日、ジョセフ・ゲッベルスがラジオ放送各社の責任者を前におこなった演説
それはプロパガンダの秘密である。すなわち、プロパガンダの考えを、浸透を気づかれないように、全体的に浸透させることである。プロパガンダが一つの目的を持っていることはいうまでもないことだ。しかし目的は隠されなければならない。多くの知力と技巧によって、この目的の標的が、決してそのことに気づかれないようにしなければならない。[・・・] 我々が政治的煽動の分野で成功したからには、今後国民の政治教育の分野においても、首尾よく成し遂げなければならないと私は考える。
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