これからミシュレの「フランス革命史」第1巻を読んでいこうと思います。全体は序文と21巻の大部です。使用したのは、Filio histoire版です。
現在邦訳されている本は、当時フランス文学、フランス史の重鎮であった桑原 武夫, 多田 道太郎,樋口 謹一が共訳した中公文庫だけです。この本は抄訳ですが、重要なところは全文訳出されています。
桑原武夫は冒頭の「人民史家ミシュレ」のなかで、この本を訳出した理由として、次の二つの理由を挙げています。
第一には、フランス革命は人類史上の最も重要な事件の一つであって、その歴史を知ることが私たち日本人にとって必要だからである。
第二には、本書はそのフランス革命を最も生き生きと伝える名作であるが、同時に、歴史叙述の模範として推奨する価値があるからである。
そしてそれは、「あらゆる『近代的なるもの』の源泉となった歴史的一大変革と流血を生き抜いた『人民』を主人公とするフランス革命史の名著」であり、「ミシュレの歴史叙述がいかにすぐれているかを感得してもらいたいためにこそ、この訳書がつくられたのである」と述べています。
中公文庫の訳本は、まさに躍動感あふれ感動を呼び起こすミシュレの文を、最大限に感得できる名訳となっています。
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