これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校3年から5年までが対象です。(フランスでは小学校は5年まで)
投票は何に役立つのか?
投票することは、一つの意見を表明すること、一つの集団の選択に参加することに役立ちます。投票によって、一人ひとりの意見を集め、最多数の意見によって選択された決定を得ることができます。
大人は市町村議会議員、代議士、欧州議会議員、そして共和国大統領を選ぶために投票します。
学校では生徒が、読書コンクールの時に、どの本にするか決めるときに投票します。あるいは教室から退出するときの出口を決めるため、学年末の出し物のテーマを決めるため、学校共同組合の金をどう使うかを決めるため、そしてクラスの代表を選ぶために投票します。
どうやって投票するか?
公正な投票をおこなうためには、いくつかの原則を守らなければなりません。
―生徒は、何のために投票するのかを知る必要があります。(例えば、クラスの代表の任務がどんなものかを、投票の前に知る必要があります)
―ひとつの選択しかないということです。(いくつもの活動、いくつもの解決法、何人者候補者のうち)
―選挙の場合、候補者全員が自己紹介をし、自分の計画案を説明する権利を持ちます。このように生徒は、親しさから、あるいは一番強そうだから、成績がクラスで一番だからといった理由で候補者に投票しません。
―みんなが、投票する権利を持ちます。
―「秘密投票」(誰が書いたか解らないように、用紙に自分の選択したものを書く)の方が良いです。なぜなら、手を上げて投票すると、みんなが、他の人がどんな選択をしたか知ることになります。何人かは、自分が裁かれているように感じたり、自由でないように感じたりします。
みんなが投票し終わって、票を数えます。最も多く票を集めた選択が採用されます。
選挙は大体において、2回おこなわれます。最初の投票で、候補者の一人が過半数を獲得したら、その人が選ばれます。そうでなければ、票を多く獲得した二人の候補者が、2回目の投票に立候補します。そしてより多くの票を獲得した候補者が選ばれます。
一度結果が知らされると、誰も選挙に意義を挟みません。みんなが、クラスの選択を尊重するからです。
<討論>
私たちのクラスの代表に、なにを望むか?投票はつねに有効か?
投票は、なんの役に立つか?
(前回の続き)
しかし、王になる鳥をどうやって決めるか?今度は議論は早く終わった。動物たちは、最も空高く上がった鳥が、王になることを決めた。
―わかった!鳥たちは一列にならんだ。ライオンがスタートの合図のために、ひと吼えした。全ての鳥が、同時に飛び立った。
鳥たちは矢のように飛んだ。しかしあまりにも速すぎて、多くの鳥が棄権した。やがて
レースには、ハヤブサ、ハイタカ、鷲、ノスリ、そしてハゲワシが残った。鷲が優位に立ち、さらに上に飛んで行き、他の競争相手を引き離した。鷲の勝利は間違いなかった。
鷲は叫んだ。
―わしが勝ったのだ!王はわしだ!
しかしその時、小さな声が聞こえた。
―それは間違いだ!私が、君より高く飛んだ。
その声の主は、スタートのときに鷲の背中に止まっていた小さな鳥であった。実際、その瞬間では、鷲よりも高く飛んでいたことになる!
大地に戻ってきた時に、鷲はいかさまだと叫んだ。動物たちのある部分は、鷲に賛同した。他の部分はそうではなかった。結局、多数決で、鷲を王に指名することを決めた。
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