これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校3年から5年までが対象です。(フランスでは小学校は5年まで)
学校での暴力
学校で、私たちは暴力に目にすることがあります。暴力には、肉体的な暴力(殴り合い、喧嘩)、言葉を使った暴力(侮辱、脅迫、意地悪)、それにゆすり、辱め、盗みもあります。
ところで、学校は私たちの安全を保護しなければなりません。学校は私たちみんなの、自由と平等を保障します。ですから、誰も力によって自分の思い通りにする権利はありません。そのために、どんな形態の暴力も禁止されているのです。暴力に遭遇したとき、それは他の生徒にとっては、学び、そして前に進む機会であり、大人にとっては、生徒が学ぶのを助ける機会となります。
暴力の悪循環
ふつう暴力は、衝突(命令、からかい、侮辱)から始まります。私たちは、そこから尊重されていないという印象をもちます。
一般的に言って、暴力に訴える人たちは、不幸です。その人たちは、暴力以外の方法で自分を表現できないのです。しかしもし私たちも、最初に暴力を受けて、怒りが増大するにまかせておくと、対立関係が悪化します。それは対決となり、力と力の関係になります。
暴力は、決して問題を解決しません。暴力は、人と人との間の緊張を大きくします(怒り、憎しみ、恨みなど)。
暴力ノン!
学校での暴力を阻止するのは、私たちみんなの義務です。そのために、一人ひとりが寛容を示し、全員の平等を尊重し、他人の自由、とくにそれぞれ違うことの自由、それぞれ違った風に考える自由を尊重します。
緊張が生じたら、悪循環に陥らないように、冷静に話し合い、相手がどう感じているかを理解し、暴言や、相手を傷つける言葉を避けることです。
もし問題を解決することができず、口論になったら、平静だった友達や、大人に助けを求めることです。時には、悪い行動をとったこと、そして傷つけることを言ったことを認める勇気をもつことや、謝ることができるようになることも必要です。
クラスの中の大騒ぎ、廊下での侮辱、休み時間中の校庭での体の大きい者による小さい者へのいじめ。私たちは。暴力について語られるのをいつも聞いてはいるが、暴力に対して闘うためには何もしていない。[・・・] 私たちは、私たちの学校の暴力に対し、ノンと言おうとを決めた。[・・・] 暴力はなんの役にも立たない。だから、まず暴力を少なくし、そしていつの日か無くすために闘わなければならない。
法律の提案
第1条 小学校の4年と5年の各クラスは、仲裁人を選ぶ。投票は、各候補者がおこなう選挙運動が終わった後、秘密投票でおこなう。
第2条 仲裁人の役割は、肉体的な暴力も言葉の暴力も使わずに、仲間の言い分を聞いて、彼らと話して、彼らの対立を解決するよう努める。
第3条 各学年のはじめに、「暴力ノン」の日の取り組みを具体化する。これは、暴力に結びつく問題に対して、生徒たちが関心を高めるためである。そして生徒たちは、クラスの規則について作文する。
2003年の子供議会において提案された、法案No.9の提案
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