
誰が法律を提案しますか?

誰が採決をしますか?

なぜ市民は、自分たちで法律を決めないのですか?

実施させるのは誰ですか?

もし法律が守られなかったら、誰が罰しますか?

クラスでは、誰が規則を決めますか?誰が規則を適用させますか?規則が守られなかった時はどうなりますか?
これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校4年(フランスでは小学校は5年制)、10歳くらいが対象です。
法律
みんなで生きるために、人が規則を決めることが必要です。それは、すべての安全を保障するために、より強圧的な法律を防ぐためです。たとえば学校では、体をぶっつけ合うことが禁じられています。この規則は、一人ひとりの生徒を守るためにつくられたのです。国の場合でも同じです。共同して生きることを組織しなければなりません。すなわち家が誰に属するかを示したり、道路の交通を整理したり、子どもの責任者は誰であるかを立証したり、働く全ての人に賃金を受け取るための法律を決めたり、ある製品を販売禁止にしたり(たとえば危険であるという理由で)しなければなりません。
社会生活を組織する規則を、法律と呼びます。住民が少ないばあいは、法律は口頭でよいかも知れません。しかしフランスには6,400万人が住み、近代生活も複雑で、常に変化します。ですから法律は書いたものでなければなりません。こうして現在施行されている法律を知りたいときは、条文を読めばよいのです。フランスでは、生活のあらゆる分野に対応するために、じつに多くの法律があります。民法は、私たちの日常生活に関連した法律をひとつにまとめたものです。たとえば、結婚および離婚、親権、家の名義人などについてです。刑法は、重罪に関する法律をまとめたものです。たとえば、窃盗、殺人などです。他にも多くの法律があります。
法案の採決と適用
憲法を遵守する法律のみが、採決にかけられます。たとえば、左利きの人に、いくつかの職業に就くことを禁じた法律は、差別であるという理由で採択されません。
法律は、代議士、上院議員、政府によって提案されます。法律は、数人の人によっても、あるいは社会全体によっても、また利害がある人たちによっても決められません。国民全員が集まり議論することはできないので、それをやってくれる人を代表として選びます。それは、代議士(国民議会)および上院議員(上院)です。これらの人たちは、法律を提案し、議論し、場合によっては条文を変えたりし、そして採決によって採択するか否決するかします。もし採択されれば、方は公報によって発表されます。それから政府は、みんなが知ることができるよう、法律を適用します。もし誰かが法律に違反した場合は、裁判官が、その人が何をやったか調べ、法律に照らした刑を適用します(罰金刑、禁固刑など)。
討論の柱―「何人も法律を知らないとはみなされない」と言われるのはなぜでしょうか?
<小話>
ある日のこと、犬の王様が、ひとつの決定をした。
―皆の者、余は、人間に関して、我々の法律を持つことを決めた。以後、犬が盗みをすることを禁ずる。誠実な犬になろう、そして法律を宣言しよう!すぐに全員が、熱狂的に答えた。
―王様ばんざい!法律ばんざい!
それから何日か経って、その中の1匹が、腹を空かせて村の道を、えさを探して歩いていた。ある家の近くに、いくつかの瓢箪とその中のひとつの中にこぶ牛の枝肉があるのを見つけた。腹が死ぬほど減っていたら、誰でも引きつけられるものだ。犬は法律があるのを忘れていた。犬は肉に跳びかかった。ひとりの女が、小屋の入り口で叫んだ。
―泥棒!泥棒!
王様の憲兵たちが、この法律を犯した者を捕まえた。このニュースは、あっという間に広がった。バオバブの木の下で、盗みを犯した犬が裁かれようとしていた。まず要領を得ない説明を辛抱強く聞いた。王様は、黙ることでじっくり考える時間をつくった。そして考えるために黙って考え込んだ。そしてついに決断を下した。
―この犬は腹を空かせていた。一度だけ、許すことにしよう。
しかしバオバブの木の下では、猟犬が騒ぎ始めた。騒ぎをますます大きくなった。
―最低の王様だ!この犬は、盗んだのだ!
―自分で定めた法律を、自分で守らないなんて、と若い大型犬が抗議した。
犬は皆、法律ができてから一度も盗みをしなかったことを思い出して怒った。彼らは、縛り首にされるのを恐れたのだ!一番歳をとった犬たちが、やっとの事で黙らせた。王様は話し出した。
―もう、人間になるのはよそう。王を選ぶのも、法律をつくるのも、法律を無視するのも、無駄なことだ。俺たちは犬だ。人間を真似ることはよして、好きなように盗もうではないか。
犬たちは、もう政府をもたない。法律が無くなったので、もう嘘もつかない。しかしそれ以来、犬たちは言葉を失った。そこに人間と犬とを分けるものがあるのだ。すなわち法律が。
F.Kérisel, Le Graive de Solomon, Ed. Jeunesse L’Harmattan, 1997

あなたの言葉で、この話を語りなさい。

法律は誰のために役立ちましたか?

次の領域に定められた法律は何か、知っていますか?誰が自動車を運転する権利をもつのか?誰が子どもの責任者となるのか?学校に行くことが義務づけられているのは、何歳からか?店が売る権利をもたない製品を探しなさい。

全ての法律は、禁止するためにあるのですか?

なぜ法律は書かれているのでしょうか?口頭で同意を求めるに止めないのでしょうか?
そして私は

私が日常生活の中で、法律を守らないことがあるのだろうか?
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