これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校4年(フランスでは小学校は5年制)、10歳くらいが対象です。
欧州連合の市民
加盟国の国籍をもつ人は、すべて欧州連合の市民です。ですから、フランス人はフランスの市民であり、同時に欧州連合の市民でもあるのです。
市民の権利
欧州連合に加盟する27の国は、ヨーロッパ市民に次のことが出来るように、少しずつ組織されてきました。すなわちパスポートもヴィサもなく(加盟国以外の国民は所持しなければなりません)、自由にヨーロッパを行き来することが出来ます。そして加盟国であればどの国においても、住みたいところに住み、自分の国にいるように勉強したり働いたりすることができます。
ヨーロッパ市民には、住んでいる加盟国の地方選挙および欧州議会選挙において、投票し立候補する権利があります。例えばフランスに住むルーマニア人は、フランス人とともに欧州連合の議員および住んでいる都市の市長を選ぶことができます。そして選挙に立候補することもできますし、フランスの都市の市長あるいはフランスを代表する欧州議会の議員になることもできます。
全ての市民は外国において、自分の国の大使館や領事館に助けを求めることができます。ヨーロッパ市民は、欧州連合の加盟国であればどこの国の領事館あるいは大使館に助けを求めることができます。例えば、もしポルトガルの市民がパスポートを盗まれた場合、あるいはアイルランドの市民が欧州連合以外の国で警察に逮捕された場合、どちらの市民もギリシャの領事館あるいはスエーデンの大使館に助けてもらうことができます。
市民の義務
全ての市民がそうであるように、ヨーロッパ市民も、権利をもつとともに義務も負います。すなわち共同生活における法律と規則を守り、平穏を保ち、共有の価値と理想を尊重し、選挙に参加し、他の加盟国の市民と連帯を感じることです。
討論の柱―ヨーロッパ市民として、いかにして将来における私たちの義務を尊重するかを学ぶには、どうしたらよいだろうか?

ヨーロッパ市民としての資格
第8条 連合の市民としての資格をここに創設する。加盟国の国籍を有する者は、何人も連合の市民である。連合の市民は、本条約に規定された権利を享受し、義務を担う。
欧州連合についてのマーストリヒト条約の抜粋、1992年

この条文を、あなたの言葉で説明しなさい。
そして私は

私はどこの国の国籍をもっているのだろうか?私は、ヨーロッパ市民なのだろうか?

市民の諸権利―自由に往来する権利

フランスのパスポートの表紙 [ 欧州連合、フランス共和国、パスポートと記されています-訳注]

このパスポートの持ち主は、どこの国籍をもっていますか?

パスポートの持ち主は、他にどんな市民としての資格をもっていますか?

パスポートは、どんなときに役に立ちますか?

ヴィザとは何ですか?滞在の許可証ですか?

フランス人が欧州連合加盟国へ行く時は、パスポートは必要ですか?欧州連合に加盟していない国へ行く時はどうですか?
そして私は

私は、ヨーロッパのパスポートをもっているだろうか?

市民の諸権利―投票する権利

2004年6月、サン・マロにおける欧州選挙の掲示板

この場面について述べなさい。

欧州選挙は、誰を選ぶのですか?

この選挙では、誰が投票できますか?

フランスに住む欧州連合の市民が、たとえフランス人ではなくてもフランス人とともに投票できる選挙は、他にどのようなものがありますか?

次の欧州選挙はいつ行われるか調べなさい。

市民の諸権利―援助を求める権利
欧州連合の加盟国の間で調印された協定によると、欧州連合以外の国において困難を抱える全てのヨーロッパ市民は、もし自国の大使館も領事館もない場合、欧州連合に加盟する他の国の大使館あるいは領事館に助けを求めることができる。このようにもし市民が暴力行為の犠牲になった場合、逮捕された場合、重病に陥った場合、この友好国の[大使館あるいは領事館の-訳注]代表は、自国の市民のためにおこなうと同様に、この市民を助けるためにあらゆる対策を講じる。

欧州連合の市民が、欧州連合に加盟する、他の国の大使館あるいは領事館に助けを求めるのはどんな時ですか?

この助けを求めることができるには、二つの条件があります。どのようなものですか?

アメリカ合衆国、中国、南アフリカの国民も、この大使館あるいは領事館に助けを求めることができますか?その理由は何ですか?
そして私は

もし私の友達の友達が困難な問題を抱えた時、その人は私をあてにすることができるだろうか?
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