これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校4年(フランスでは小学校は5年制)、10歳くらいが対象です。
条約
子どもは、完全に一人の人間です。従って子どもは大人と同じ基本的人権を持ちます。すなわち、世界人権宣言の中で宣言された権利です。
子どもは、大人より弱い人間です。ですから、保護される特別な権利も有しています。これらの権利は、1989年に様々な国の代表によって起草され、世界のほとんど全ての国によって採択された、子どもの権利についての国際条約(CIDE)によって認められました。
子どもの権利
子どもは、年令に付随した特別な権利を有します。すなわち両親と離別しない権利、労働しない権利、学校に行く権利、いかなる形の暴力からも守られる権利などです。子どもの両親と、彼らが属する国は、子どもに対する責任をもち、これらの権利を護る責務があります。
子どもの権利の尊重
世界では、とても多くの子どもたちが、これらの権利を享受していません。多くの子どもが、家族のために必要な収入を得るために、学校に行かないで働かなければなりません。時には、危険な環境の下で働いています。そして治療を受けることができない子どももいますし、ひどい扱いを受けている子どももいます。
「国際社会」はいくつかの国にたいして、これらの権利を認め、子どもたちに適用するように圧力をかけます。いくつかの団体は、国が全ての困難を解決する手段をもたないときには、子どもたちに援助の手を差し伸べるよう、力を合わせ行動します。
討論の柱―もし私たちの友人、クラスメイト、隣人が尊重されていないのを目にしたとき、何ができるだろうか?

子どもの権利
条約は、18歳未満のすべての人間に関するものである。
第2条 各国は、人種、皮膚の色、性、宗教等の区別なく、すべての子どもが有する諸権利を尊重することを誓う。
第3条 子どもに関するすべての決定は、子どもの利益において解釈されなければならない。
第6条 すべての子どもは、生存権を有する。
第7条 すべての子どもは、名前と国籍をもつ権利を有する。
第9条 すべての子どもは、子どもの利益に反しない限り、両親と離別しない権利を有する。
第12条 すべての条文は、自分に関する意見を表す権利を子どもに保障するために適用される。
第13条 すべての子どもは、他人および公共の秩序を尊重する条件の下で、自由に表現する権利を有する。
第19条 すべての条文は、肉体的および精神的暴力、ぞんざいな扱いおよび放置から護るために適用される。
第20条 すべての条文は、家族を失った子どものための解決、例えば養子縁組みを見出すために適用される。
第23条 すべての条文は、障害を持つ子供に充分かつ相応な生活と特別な擁護を与えるために適用される。
第28条 初等教育は、義務であり無償でなければならない。
第29条 教育は子どもの才能を開花・発達させ、人権の尊重、両親の尊重、国および自然環境の尊重を学ばせなければならない。
第31条 すべての子どもは、休憩し余暇を享受する権利を有する。
第32条 すべての条文は、幼い子どもを労働させることを禁じるために適用される。
第33条 すべての条文は、麻薬から子どもを護るために適用される。
第35条 すべての条文は、子どもを誘拐から護るために適用される。
第37条 すべての条文は、子どもが拷問されることを防ぐために適用される。子どもはすべて、死刑あるいは終身刑に処されてはならない。
第38条 15歳未満の子どもはすべて、武力衝突に参加できない。
子どもの権利についての国際条約(1989年)からの抜粋

この条約は、子どもについてどのような定義をしていますか?

子どもの権利についての国際条約の条文を、一つずつ説明しなさい。

これらの権利について、例を挙げて説明しなさい。

これらの条文の中で、あなたがもっとも重要だと思うものはどれですか?その根拠を説明しなさい。

世界人権宣言に直接結びつくのは、どの権利ですか?

子どもに特別に関係する権利はどれですか?

この条約に調印しない二つの国はどこか調べなさい?
そして私は?

私は、私の権利について知っているだろうか?

子どもの権利の尊重

ガーナの、子どもの漁師

ブラジルの道路で寝る子ども
両親とともに働くか、あるいは雇われて働いている子どもは、世界で250万人います。多くの子どもは、彼らを守る家族がいません。彼らは道路で暮らし、物乞いをし、路上で睡眠をとり・・・

あなたがこの二つの写真に見たことを述べなさい。

これらの子どもたちは何歳だと、あなたは思いますか?

働く子どもたち、従って学校に行けない子どもたちの未来はどのようなものだと思いますか?

路上で寝る子どもたちにとって、どんな危険があると思いますか?
そして私は?

子どもとしての私の権利は、尊重されているだろうか?
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