
これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校4年(フランスでは小学校は5年制)、10歳くらいが対象です。
身分証明
人はすべて、唯一無二の存在です。ある人の身分は、その人がどういう人かを知る特徴の全体です。すなわち姓、名、性、生年月日、出生地、家系、国籍などです。これらの情報は、戸籍に記載されています。
だれでも自分の身分を証明することが必要になることがあります。結婚、投票あるいは外国へ旅行する時などです。国は、その人の身分を証明する公式の書類(身分証明書、パスポートなど)や出来事を記録した書類(出生証明、結婚証明など)を交付します。
必要な権利
人はみな身分証明をもつ必要があります。それは身元を確認するために役立ちます。例えば迷子になった子どもの身元を確認する時に、そして子どもを引き取りに来た人が、確かにその子の親であることを証明する時に役立つのです。身分証明はまた、権利の行使を可能にします。結婚、旅行、投票、学校への登録、試験を受けるとき、子どもを認知するときなどです。そして持ち主の国籍を示し、その人を保護する責任をもつ国はどこかがわかります。
実施させる権利
子どもの権利に関する国際条約は、子どもに身分証明をもつ権利を認めました。すなわち両親が子どもの出生を届け、子どもの存在を記録に残すように、各国が戸籍の仕事を組織しなければならないということです。
残念ながら、この仕事を組織するにはあまりにも貧しすぎる国が多いのです。それに両親も、すべてが子どもの出生届の利点を理解しているとは限らないのです。従って、何百万人の子どもが、自分の身分を証明できないでいます。

身分証明

身分証明書を見せる、116歳のポーランドの女性(ヨーロッパの女性で最年長)

この人は何という名前ですか?

この人は何年に生まれましたか?

この人は何歳ですか?

身分を証明する要件は何ですか?

身分証明書に貼ってある写真が、この人に似ていないのはなぜですか?

身分証明書は、どんな時に必要になりますか?

身分を証明するものに、他にどんなものがありますか?

戸籍係がどんなことをするところか調べなさい。
そして私は?

私は、自分の身分を証明する要件(姓名、生年月日と出生地、家系、国籍)をすべて知っているだろうか?

必要な権利

子どもを小学校へ登録する、2007年。

この場面を説明しなさい。この母親は、誰のために学校への登録をするために来たのですか?

なぜ校長は、学校に受け入れる子どもたちの身分を知る必要があるのでしょうか?

日常生活で、身分を証明する必要があるのは、他にどのような場合がありますか?
そして私は?

私は、自分の身分をどのように証明するか知っているだろうか?

実施させる権利
コート・ジボワールでは、大部分の両親が子どもの出生届けをしない。子どもである間は、それほど問題にはならない。つまり村の学校、あるいは地区の学校は、両親の届け出で子どもを受け入れる。後になって、子どもが勉強をしたい、大学に進みたいと思ったとき、すこし複雑になってくる。とりわけ、身分を証明したり、コート・ジボワールの国籍をもっていることを証明することができないとき、いかにして投票のための、あるいは旅行のための身分証明を獲得できるかである。この状態を改善するために、国は巡回法廷を設けた。すなわち巡回法廷を各地区や村に数日間開設し、コート・ジボワールで生まれ、13歳以上で、戸籍簿に記録されていない人についての情報を集めるのである。巡回法廷は国籍証明書を作成し、例えば商人はそれを提示して、隣国に商品を仕入れに行くために必要な身分証明書の発行を当局に要求できる。

コート・ジボワールの一部の人は、なぜ自分たちの身分証明ができないのでしょうか?

このことは、この人たちには名前がないということを意味するのでしょうか?

どんな解決策で、身分証明が実施されたか説明しなさい。
スポンサーサイト
trackback URL:http://billancourt.blog50.fc2.com/tb.php/464-f065f20f