これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校4年(フランスでは小学校は5年制)、10歳くらいが対象です。
いろいろな器具
いろんな手段で、遠いところとコミュニケーションすることができます。飛行機が地球の裏側へ運ぶ郵便物、そしてお互い話したり、メッセージを送りあったり(SMSあるいはtextos)、二人あるいはそれ以上の間で会話する(チャット)ための、電話とインターネットがあります。
こうしたコミュニケーションの手段は、普及しています。世界のほとんどの地域で電話できますし、人類の二人に一人は携帯電話を使っています。しかし多くの人は、電話をもったり、インターネットにアクセスしたりするほど金持ちではありませんし、現代のコミュニケーションから取り残されています。
コミュニケーションすることができること
コミュニケーションするということは、まず私たちのまわりにいる人たちとコミュニケーションするということです。まわりにいる人を放っておいて、電話やインターネットに時間を費やすことは、その人たちに対して失礼です。
コミュニケーションするということはまた、自分のことを話すだけでなく、相手の話も聞くということです。そして相手のひとに応じた対応をしなくてはなりません。インターネットを使っていない人には、電話をかけるか、はがきを送ることもできるのです。
上手にコミュニケーションすることは、礼儀を尊重することでもあります。ある場所で携帯電話の電源を切ること、電話をかける時間を選ぶこと、しつこくSMSあるいはメールを送らないこと、そして礼儀を尊重していることを示すことです。
自分を守ること
現代のコミュニケーションの器具は、危険がないとはいえません。無線でつながっている電話は、健康に有害な電磁波を発します。
そのうえ電話やインターネットは、悪意をもつ人と接触することもありえます。大人の同意なしには、自分の電話番号やメール・アドレスを絶対に知らせてはなりません。
現代のコミュニケーション器具の最も危険なところは、依存症です。私たちが器具に依存し、器具に私たちが支配されるのを防ぐには、それらに費やす時間を制限することです。
討論の柱―私たちは学校内あるいは校外において、誰とより多くコミュニケーションをしなければなりませんか?

様々な器具

マリの砂漠で、衛星携帯電話を使うトゥアレグ族 2006年

この人はどこにいますか?

この人は、こうして誰とコミュニケーションできますか?

他にコミュニケーションできる手段は何ですか?

それぞれの利点と難点を挙げてください。

あなたは、地球上のすべての人が、現代のコミュニケーション機器に接することができると思いますか?それはなぜですか?
そして私は?

私が誰かに、その人の健康について知るために電話をするということがあるだろうか?

コミュニケーションできる


この家族は何をしていますか?

周りの人に対して、失礼な態度をとるのは、どの人物ですか?

携帯電話を切らなければならないのは、どんな時ですか?それはなぜですか?

電話をするとき、礼儀を尊重すべきルールはどんなことですか?メイルを送るときは?
そして私は?

私の目に見えている人たちに注意を払わずに、電話やインターネットの前で時間を過ごすことが私にあるだろうか?

自分を守る
携帯電話が健康に、とりわけ若者の健康に危険を及ぼすということが次第に語られるようになった。毎日、携帯電話を長時間利用し、さらに電源を入れっぱなしにしておくだけで 脳に向けて有害な電磁波を放つことになる。従って、イギリスでは親に、15歳未満の子どもには携帯電話をもたせないように勧めている。
しかし、危険は時々他からもやってくる。電話中に会話の方に気をとられ、自分のまわりのことにあまり注意を注がなくなる。そのために、運転しながら電話をすることは禁じられている。しかしローラースケートや自転車で走っているときに、あるいはただ道路を横切るときに電話をすることも危険である。
最期に、長時間電話したり、インターネットでチャットしたりすることは、喫煙者がニコチン中毒になるように、電話やコンピュータの中毒になる恐れがある。

この文の中にある危険はどんなものですか?

自分を守るためには、どうしたらよいですか?

インターネットにおける他の危険は何ですか?
そして私は?

私が、電話やコンピュータから離れることができなくなることがあるだろうか?
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