これは、Education a la citoyennete (市民としての資格を学ぶ)という教科書で、小学校4年(フランスでは小学校は5年制)、10歳くらいが対象です。
フランス市民、およびヨーロッパ市民であること
フランス人は、フランス市民であると同時にヨーロッパ市民です。
フランス人は、フランスおよびヨーロッパ連合にたいして義務を負います。平和を維持する、共通の理想を守る、法を守る、選挙に参加する、フランス人およびヨーロッパ人の、他の市民に連帯の態度を示すなどの義務です。
フランス人は権利も持ちます。フランス国内、あるいはヨーロッパ連合の中の、どこにでも住む権利、外国に住んだときに保護される権利、フランスでの選挙はもちろん、ヨーロッパのどの市町村の選挙にも、投票し、立候補する権利をもちます。
世界市民としての資格
世界市民になることは、フランスあるいはヨーロッパの市民としての資格とは違う、市民としての資格をもちます。
世界市民としての資格は、私たちに世界のどこにでも旅行できる権利を与えませんし、どこにでも居住する権利も与えません。地球のすべてが私たちの国土ではありませんし、国々に定着した条件を尊重しなければなりません。
世界市民としての資格は、フランスやヨーロッパ市民としての資格のようには、フランスから遠く離れた国にいる私たちを保護しません。
世界市民としての資格は、国際的な選挙において投票することを認めていません。なぜなら国際的な選挙がないからです。しかし各国は国際的な大組織である国連、ユネスコ、ユニセフなどに代表を送っています。
世界市民
地球のすべての住人は、「世界市民」である。
世界市民は、義務を負います。各々が寛容さを示し、慎むことによって、平和を維持する義務、自分たちの生き方が最良であると信じる義務、共通の理想(自由、平等、民主主義)を守る義務、環境と保護する義務、そして自分以外の人類にたいし、連帯を示す義務です。
世界市民は権利ももちます。きれいな地球に住む権利、世界のなかで責任をもつ(国際的な組織に参加し、団体あるいは非政府組織NGOのメンバーになること)権利です。
討論の柱―私たちが世界市民となるためには、その準備としてどのようなことができるのだろうか?

世界市民証明書、団体

この証明書からわかることは何でしょうか?

この証明書とパスポートを比較しなさい。類似点を三つ、相違点を三つ見つけなさい。

この証明書が、フランス市民あるいはヨーロッパ市民であることによって与えられる権利と義務と同じ権利と義務を与えていると、あなたは思いますか?

世界市民であること
私はスペインを詠う。そして骨の髄までスペインを感じる。しかし私は、なによりも世界市民であり、人類の兄弟である。―フェデリコ・ガルシア・ロルカ
我々が世界市民としての、我々の義務を果たすことによってはじめて、権利というものが我々に与えられるのである。―マハトマ・ガンジー
私は世界市民である。すなわち私の同郷人、それは人間である。―シュリー・プリュドンム
私は人類の愛国者である。私は世界市民である。―チャールズ・チャップリン
地球は私の祖国であり、人類は私の家族である。―ハリール・ジブラーン

これらの文を、ひとつずつ説明しなさい。

あなたの考えでは、世界市民とは何ですか?フランス市民、ヨーロッパ連合市民であることと違うところ、そして似ているところは何ですか?
そして私は

私は世界市民であることを感じているだろうか?

世界市民であること、その権利と義務

ユニセフ、2002年5月8日
2002年5月8日国連において、4人の少年が全加盟国の代表を前に発言し、次のように宣言した。「私たちは世界の子どもです。私たちは、子どもに適応した世界を望みます。なぜならば、私たちに適応した世界は、全ての人に適応した世界であるからです」。

この文を説明しなさい。

あなたは世界市民の義務はなんだと思いますか?権利は?
そして私は

「子どもに適応した世界」にするために、私は何をしたらよいのだろうか?
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