今日から、collège 5ème(中学2年、日本では中学1年に相当)の公民教科書を紹介していきます。まず表紙ですが、上から「平等」、「多様性」、「連帯」と書かれています。
まず気がつくのは、小学校の公民教科書では tu(君)で呼びかけていたのが、中学校の公民では vous(あなた)と敬語を使い、大人扱いをしていることです。そして人と市民の権利宣言、世界権利宣言、法律などの条文が、あちこちにでてきます。各ページに、Que dit la loi?(法律には、なんと書いてあるの?)と、条文で確認させます。何のために法律があるか、理解させるためでしょう。
ではご一緒に、中学生になったつもりで学習していきましょう。
まず初めに、教科書の各章の構成、つぎに内容について書かれています。ちょっと読みにくい文章になっています。すみません。
各章の構成 章の始めに 章を理解するための鍵を提供する。
問題提起をするために、2,3の写真を載せる。
学習 様々な資料(図表、地図、ポスター、カリキュラムに沿った文)の全体を通して、具体的な例を学ぶ。
段階的かつしっかりした構成をもつ問題提起
課題 赤字で書かれた「用語」を織り交ぜながら、簡潔でしっかりした構成をもつ授業
章の鍵を掘り下げるために、
様々な資料を網羅し、テーマについてのポイントを分析する。
各資料に設問をもうけて、段階的に分析する。
練習問題 練習問題を通して、知識を深める。
討論、ロール・プレイ
「調査」、「討論」、「ロール・プレイ」をおこなう。
章の最期に、著作やインターネットのサイトを紹介して、さらに深める。
教科書の内容 第1部 人間は複数、人類はひとつだけ (全体の30%を占める)
第1章 違っても平等、権利の平等と差別
個人個人が違っても、グループの中に様々な文化が存在しても、私たちは同じ人類に属する。
文化の違いと自然の違いを同一視するところに、差別と人種差別が生まれる。
第2章 個人における様々なアイデンティティ
法律上のアイデンティティは、個人の身元を確認し、証明する。
個人的なアイデンティティは、別の面を豊かにする。家族、文化、宗教、職業など。それは個人の選択によって形成される。
(参考資料)人と市民の権利宣言1条、世界人権宣言2・3条、人種差別を禁止するプレヴェン法1~3条、姓の自由選択に関する法、刑法、民法)
Ⅱ.平等、形成中の価値
第1章 平等―共和制の原理
平等は、共和制の基礎的な原理である。それは歴史のなかで少しずつ勝ち取られた成果である。
第2章 不平等を減らす上での全体的責任と個人的責任
不平等と差別は、全体的および個人的な市民の行動によって撲滅できる。政治家は、不平等と差別にたいして闘うことをめざし、市民の間で、また政治的かつ社会的運動の中で議論する。
(参考資料)人と市民の権利宣言1条、1946年憲法前文3・10・11条、世界人権宣言1・7条、政治的平等に関する法、民法)
Ⅲ.安全と危険(省略) (全体の20%を占める)
Ⅳ.思い思いに―連帯的行動 (全体の10%を占める)
生徒たちは、ひとつひとつの事例を学びながら、あるいは授業がすすむ中で、例えば持続可能な開発という課題において、連帯を究極の目的とする集団的な行動がどんなものなのかを発見する。個人的な投資が、団体の活動家との接触を介しておこなわれること、すなわち具体的な活動は、外部との仲介をともなうことを発見する。
授業の目的は、生徒たちにグループの中で責任を持つこと、意見を交換することを教え、生徒たちを取り巻く環境に応じて、テーマに適した進め方で、具体的に進めることにある。
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