長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。第2章(安全のための責任ある行動)、第3章(市町村、県、地域圏の市民になるための準備)そして第4章のいくつかを除くすべてを紹介することができました。
私なりにこの教科書を振り返りますと、「関心をもつ」ということが、通奏低音のようにこの教科書を貫いているように思いました。あるいは起点になっているようにも感じました。
関心をもつということは、まず、ことがらを知ることです。しかし「知る」ことと、それが「真実」であることは別のものであると教えます。つまり「批判精神」を育てます。また関心は生徒を取り巻く世界へと広がります。その世界との関わりのなかで、「責任」を教えます。関心をもつことは、他人にも向かいます。他人を理解し、他人を差異とともに受け入れ、それを尊重することを教えます。すなわち「寛容」です。また他人の悲しみや苦しみに寄り添い、援助の手を差し伸べるこころを育てます。すなわち「連帯」です。
こうした教育は、生徒の社会にたいする信頼を育てることでもあるように思います。とはいっても、社会に出れば教科書通りにはいかないのが一般です。それでもこの教科書が教える内容は、すこしでも信頼できる社会をつくるという土台になると思うのです。
この次は、college 5ème(中学1年―日本の小学6年に相当)の公民教科書、Demain Citoyen(明日、市民になる)を紹介していきます。よろしくお願いします。
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ARENA第12号について、風媒社に問い合わせてみました。書店に配本されるのは、12月20日頃の予定だそうです。ネット書店でも、その頃にはアップされるとのことです。また、全国配本されますが、学術誌という性質から発行部数が少なく、大手書店にしか出回らないだろう