平等と連帯の名のもとに国家によって創設され社会保障は、リスク(疾病、事故)から国民の生活を守り、家族に対する扶助および年金のために出資します。そのための資金は、その大部分を、働く人とその雇用者によってまかなわれます。
これは、Demain, citoyens (明日、市民になる)という、フランスの公民の教科書で、collège 5ème(中学2年、日本の中学校1年生に相当)、12歳くらいが対象です。
A 社会保障は何に使われるのだろうか?
働いている人は皆、社会保障に登録しなければなりません。つまり社会保険加入者になるのです。社会保障は、その権利をもつ人(子ども、働いていない配偶者)が病気や事故に遭ったときも、同じように保護します。

ジュリエット、セバスティアンそして子どもたちのため―健康の保護

セバスティアン「1週間の入院、1ヶ月病欠の給与保障、2ヶ月のリハビリと、私の事故は社会保障にとって高くついたね!」
ジュリエット「働いている人すべてが払っている会費のおかげで、社会保障は、あなたの医療費と賃金を負担できるのね」

家族の保護

セバスティアン「セレストの誕生で、我々の家族手当も増えるね」

レアとジャンのため―高齢者の保護

孫「おじいちゃんやおばあちゃんが、もう働かないということは・・・もうお金を稼ぐこともないの?」
レア「私たちは、もう40年間も社会保障分担金を払ってきたのよ」
ジャン「だから、社会保障は毎月、我々に年金を支給しているのだよ」
B 社会保障はどのように機能しているのだろうか?

資金はどこから来るか?そしてどこに行くのか?
収入(資金はどこから来るのか?)
労働者の社会保障費
雇用者および自由業・自営業者の社会保障費 58%
一般社会保障税、社会保障債務返済税、たばこ税・酒税 42%
Urssaf
会費を徴収し、社会保険加入者に再分配する、国が責任を持つ組織
支出(資金はどこに行くのか?)健康保険 50%→
健康保険国民基金CNAM 医療費還付・出産手当・労災による廃疾手当
家族手当 19%→
家族手当国民基金CNAF 家族扶助・積極連帯所得(RSA)
老齢手当 31% →
年金基金CNAV 年金・配偶者死亡手当

健康保険カード(carte vitale 命のカード)

健康保険カードは、社会保険加入者とその権利をもつ人が、病気や事故の場合に使用します。薬局、医療検査所あるいは病院で提示すると、医療費の一部分を前もって免除されます。

法には、何と書いてあるの?
「国は個人および家族にたいし、その発達に必要な条件を保障する。
国は国民の全てに、とりわけ子ども、母親および高齢の労働者にたいし、健康の保護、経済的な保障を与える[・・・]」
1946年の憲法前文
<設問>
1.資料

セバスティアンの事故の後、社会保障はどういう役割をしますか?
2.資料

ジュリエットは毎月、家族のための何を受け取りますか?それはなぜですか?
3.資料

社会保障はレアに何を支給しますか?それはなぜですか?
4.資料

社会保障の財源は何ですか?社会保障の三つの基金は、何ですか?
5.資料

社会保障カードは、誰のためのものですか?誰がそれを使用しますか?
6.資料

、

、

および

資料

、

、

に示されたそれぞれの状況を頭に置いて、1946年憲法前文のエッセンスを示しなさい。
<学習のまとめ>

社会保障とは何ですか?誰が、その恩恵を受けますか?

平等と連帯の原理は、その機能をどのように発揮しますか?
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