1.平等―闘いは続いている ■実際には、平等はまだ現実のものとなっていません。なぜならば、すべての人が、お金をもっているわけではないからです。
■だから国は、社会的な不平等を少なくするために、さまざまな措置を講じています(資料1および2)。すなわち最も貧しい人のための権利です(全医療保障制度CMU、不服申し立て可能な居住権、
司法援助)(資料3および4)。
2.平等に貢献する再配分 ■これらの支出をまかなうために、国は資金を必要とします。平等と連帯の名において、国は国民に一人ひとりに、財力に応じて分担することを求めます。より多く稼ぐ者はより多くの税金を、少なく稼ぐ者はより少ない税金を払い、収入のない者は国の援助を受けることができるのです。これが再配分の原理です。所得税は累進方式です。
社会保障費は、収入に応じて払います。
司法の援助 収入に応じて、国が裁判費用(弁護士、司法官など)を負担する。
社会保障費 労働者と雇用主が社会保障基金に払い込む。
A 平等のための援助

社会福祉の援助
援助と目的
成人障害者手当AAH 1975年から支給
所得がない障害者に最低の収入を保障し、あるいは補足する目的
高齢者への連帯手当ASPA 2007年1月1日から支給(年金最低支給に替わるもの)
低額の年金受給者あるいは年金を受給していない高齢者に最低の収入を保障する目的
就業連帯所得保障RSA 2009年6月1日から支給(単親手当と社会復帰最低所得保障RMIに替わるもの)
無収入の25歳以上の人すべてに最低収入を保障し、職への復帰を奨励する目的
2009年には300万人を超える人が、これらの援助を受けています。実はこうした援助は、援助を受ける権利をもつ人すべてに関わるものなのです。合計すると800万人にもなります。

法には、何と書いてあるの?
「国は個人および家族にたいし、その発達に必要な条件を保障する。[・・・] 年齢、肉体的あるいは精神的状態、または経済的状態によって労働不能に陥った者はみな、生存するに充分な手段を地方自治体より取得する権利を有する」
憲法前文(1946年)
<問題>
1.資料

誰が、国の援助を受けることができますか?どのような措置によってですか?
2.資料

これらの措置は、それぞれどのような目的をもっていますか?
3.資料

および

これらの援助が、平等のための措置であることを示しなさい。
B 最も貧しい人々のための権利

司法援助
この援助は、どのようにしてなされるか?
■国が、裁判費用(弁護士、司法官など)
■人々は、自分の裁判の弁護士を選ぶことができる。
司法援助を受ける対象は?
■フランスの市民
■フランスに住む外国人
■未成年者
司法援助の資格条件となる収入はどのくらい?
■裁判費用の全額負担―月収が、911€以下
■裁判費用の部分負担―減収が912€から1,367€までの間、収入に比例して負担

不服申し立て可能な居住権
国が資金を出し、改修もする低家賃住宅は、低収入の世帯に割り当てられる。しかし最貧困家庭は、次第に住居を得ることが難しくなってきている。
「2007年3月5日に制定された、異議申し立て可能な居住権に関する法律は、各県において、申請の緊急性および優先度を審査する委員会を設置した。申請をするには、次の条件のうちの一つが必要である。
―住居がないこと。
―次の居住の保障がないのに、強制退去を迫られている。
―住居に適さない場所に住んでいる。
―不衛生あるいは危険な状態にある住居に住んでいる。
[・・・] 申請が、緊急性があり、優先度が高いと認められた場合、県は6ヶ月以内に、住居を提示することになる。」
ローヌ・アルプおよびローヌ地域圏のサイトから www.rhone.nref.gouv.fr
<問題>
1.資料

司法援助とは何ですか?誰がこの援助を受けることができますか?
2.資料

低家賃住宅に住むことができる人は、どんな人ですか?
3.資料

2007年の法律によって認められる新たな権利は、何の権利ですか?
C すべての納税者

国の税収
付加価値税TVA 47%、
所得税 22%、
法人税 14%、
石油製品国内税* 6%、
その他の税収 11% * 鉱物油、天然ガス、LPGなどに課税される、

付加価値税TVAとは何か?
これは、人が買う物の価格に含まれる税です。その税率は、製品やサービスによって異なります。
2.1% 新聞・雑誌、
医療品 新聞2€の内、0.042€が付加価値税
5.5% 食料品、レストランでの食事、書籍 ピザ10€の内、0.55€が付加価値税
19.6% その他 ズボン50€の内、9.8€が付加価値税
<問題>
1.資料

および

国の税収のなかで、最も大きなものは何ですか?この税は誰が払いますか?どのようにして払うのでしょうか?
2.資料

他の三つの税収を挙げなさい。その税は誰が払いますか?
3.資料

および

国が徴収する租税や間接税は、所得の不平等を考慮に入れていますか?
これは、Demain, citoyens (明日、市民になる)という、フランスの公民の教科書で、collège 5ème(中学2年、日本の中学1年に相当)、12歳くらいが対象です。
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