イル・サンジェルマンの散歩道

　１９４１年１２月７年にパール・ハーバーのアメリカ艦隊を潰滅な打撃を与えたことによって、日本は東南アジア全域における覇権を拡大し、さらにはインド、すなわちイギリス帝国女王を脅かすことが可能になった。これまでの植民地（朝鮮、台湾）に加え、親日本の保護領（満州、ビルマ、フィリピン）を建設した。「大東亜共栄圏」を形成するすべての国は、経済的資源を含めて、日本の戦争遂行に動員された。

　日本は、初めのうちはヨーロッパの植民地主義の解放者として迎えられたが、極めて暴力的な手段によって支配体制を打ち立てた。日本帝国主義は１９４２年から後退し始めたが、日本が降伏を受け入れるのは、広島と長崎に原爆が投下された、１９４５年８月である。


日本の新しい帝国―「大東亜共栄圏」
　１９４１年７月１２日、天皇の出席の下に、閣僚および軍の責任者があつまって帝国会議が開かれた。

１．帝国政府は、国際情勢の進展いかんにかかわらず、結果として大東亜共栄圏を建設し、世界平和を確立ために、次のような政策を決定した。

２．帝国政府は、支那事変を解決せしめるために全力を尽くし、国の安全保障のための強固な土台を築くべく努力する。これには南方への進出、そして将来の進展いかんによっては、ソヴィエト問題の解決を含む。

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虐待の犠牲となった戦争捕虜


３０万人のヨーロッパ軍の兵士（うち１３万人はアジア人）は、１９２９年のジュネーヴ協定を批准しなかった日本によって、劣悪な条件の下で拘置された。彼らの２７％は、捕虜のまま死亡した。


広島の原爆投下―目撃者の証言

　先に来たのは、閃光（ピカ！）だったのか、あるいは内臓の奥まで響くとてつもない轟音（ドン！）だったのか？私は、顔面を激しく地面に叩きつけられた。同時に、物が上から降ってきて、私の頭や背中を打った。何も見えなくなって、闇の中に横たわっていた。[・・・] 突然、強い硫黄の臭いがした。「これは焼夷弾に違いない・・・」私は肌着の腰の部分で、鼻と口を強く拭った。その時はじめて、顔面に異常なものを感じた。私の顔の皮膚が剥げるのを感じたとき、戦慄した。瓦礫や破片を跳び越えて、私は狂ったように橋の方へ駆けだした。なんという情景だ！おびただしい人の群れが、橋の下でひしめき合っていた。男も女も、みんな例外なく膨れあがった灰色の顔をして、髪の毛を逆立たせ、両手を上に向けて動かしながら、絞り出すようにうめき声を出し、互いに身体をぶっつけ合っていた。これは真っ先に水に飛び込んだ人たちだった。

「グループ８月６日」、ピカドン！広島の教訓、１９８５年


占領の残酷さ


１９４２年から１９４５年の間において配布された、日本軍による化学兵器の使用を非難するアメリカのビラ。「日本、中国でガス使用」

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＜学習の足跡＞

１．日本の戦争目的は何か？「共栄圏」は何によって構成されるか？（資料）
２．太平洋戦争における闘いは、とのようにおこなわれたか？アメリカは、自分たちの軍事的優位性を発揮することができたか？（資料）
３．第二次世界大戦において、日本が犯した戦争犯罪は、どのように規定できるか？同じ頃、ナチス・ドイツが犯した戦争犯罪と比較することができるか？
４．目撃者の証言によると、原子爆弾の影響はどんなものであったか？通常の爆撃に比べ、原子爆弾は殺傷能力が高いか？

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これはフランスのLycée 1（日本の高校２年に相当）で使われる文学・社会経済コースの仏独共同教科書です。

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