不平等を減らすため、再配分する フランスの社会保護制度は、貧困と闘うための手段としてではなく、むしろいくつかのリスク(病気、失業、老化など)から労働者を守るためにつくられた。すなわち分担金を払うことによって、リスクから身を守る権利を獲得することである。それは労働者の基本的な欲求(健康)に応え、不平等を少なくする。
再配分に関する国家の介入は、市場の自由主義的機能によって生じる所得の配分にたいして不満がある限り、正当とみなされる。国家の介入がないならば、所得の配分が、個人の条件(能力、遺産相続)および市場の価格メカニズムによってなされることは明らかである。不平等を拒絶する社会は、この配分の仕方を不公正とみなす。だから国家が介入し、税金や振り込みのシステムによって、諸個人の所得の最初の配分に修正を加える。家族を援助し、あるいは健康を害するリスクを考慮する国家の介入も、同様に正当とみなされうる。義務的社会保険の誕生は、国家の保護的な姿勢の表れであるといえる。それほど用意周到ではなく、自分たちのことだけで精一杯である世帯もありうる。つまり貯蓄もせず、また失業や病気といったリスクに充分な備えをせず、退職によって収入が途絶えることにも考えがいかないのである。
Réjane HUGOUNENQ, Henri STERDYNIAK, « 社会的保護の選択度、討論と論点 », Cahiers français, n° 292, juillet 1999
<定義>
再配分―税金や社会保険の負担金によって所得の配分を修正する、一般的には公的な措置。
再配分後の所得―再配分のメカニズムによって修正された所得。原初的所得と比較され、社会的所得とも呼ばれることもあり、受け取る人の個人的な事情に応じて配分される。
<質問>
1.理解する―フランスの社会的保護制度の目的は、どのように理解されていますか?
2.分析する―なぜ所得の不平等が不公正であるとみなされるのですか?
3.説明する―なぜ国家は、「保護的姿勢」をとるようになるのですか?
高校1年の教科書「経済および社会の科学」より
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とんでもない裏切り、約束破りをやろうとしています!
「自立支援法は廃止し、総合福祉法を作る」って、約束したじゃないか!!
普通の人には、「・・・また、障害者自立支援法を改正し...