作用する二つの論理―保険と扶助
国家はまず、所得を再配分する。[…] とりわけ、各世帯への社会保障の諸手当のために。[…] 社会的諸手当は、なんらかのリスク(病気、事故、失業)が身に起こった時に世帯の収入を確保するために、あるいは老齢に備えるために(年金)、または子どもの教育費の一部を負担するために寄与するものである。
社会保障の諸手当は、一方で保険という論理に依拠する。労働者と雇用主は、社会保険負担金を(保険料として)払い込む。その見返りとして個人は、保険によってカバーされたリスクが身にふりかかり収入が断たれた時、補償金を受け取る。
しかし個人が受け取る社会保障の諸手当は、また扶助と連帯の論理に拠ることもありうる。つまりこの論理は、社会保険負担金の論理に収まりきれない包容をもっているということである。時には社会的諸手当が、負担金の事前支払いを前提にしないことさえある(いくつかの失業手当、家族手当、最低限所得保障、[…])。この論理は、共同体のなかで連帯が発展するときにみられるあらゆる長所を有する。
Jacques GÉNÉREUX, 経済学入門, colt. Points, Seuil, 2001.
<質問>
1.説明する―「社会保険負担金」はどのようなものですか?あなたの「社会保険負担金」は?
2.理解する―「保険の論理」と「扶助の論理」との間には、どのような違いがあると言っていますか?
3.説明する―保険と扶助は、どのような論理ですか?養育手当を例にあげて説明しなさい。そしてあなたの回答を論証しなさい。
フランスの高校1年の「経済および社会の科学」
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