イル・サンジェルマンの散歩道

　ラ・マルセイエーズも同じ運命をたどりました。１７９２年につくられましたが、ほぼ１世紀のあいだ愛唱歌としてあつかわれてきました。第三共和制が成立した後、１８８０年に国歌と定められました。今日ラ・マルセイエーズは、国や軍隊の式典の時に公式な祝歌として演奏されます。

　フランス共和国を表す暗示的な標章として、フリージア帽を被った女性像があります。これは憲法には記されていませんが、公的な性格をもつということができます。なぜなら、紙幣や郵便切手、あるいは国の責任において発行される文書等に描かれているからです。これもフランス革命まで遡ります。専制政治を倒したあと、王家の紋章や白百合の紋に替わるものとして認められました。１７９２年、フリージア帽（この数世紀のあいだ自由を表す標章とされた）が、フランス共和国を代表する標章と決められ、フランスの歴史のなかに不動の地位を占めています。

　最近では、穏やかな顔をしたマリアンヌが、公式にフランスの国旗の三色と組み合わされました。そしてフランスの国家の権能を明らかにする標章となりました。１９９９年に採用されて以来、政府が送付する手紙、パンフレット、申請書、そしてポスターや省庁が発行する情報誌に印されています。

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ラ・マルセイエーズに対して、フランス国民はこう判断する。（２００５年に行われたアンケート）

（質問）あなたは、子どもが学校でラ・マルセイエーズを学ぶのに賛成ですか？反対ですか？
　　　　　賛成　８０％　　　　反対　２０％

（質問）あなたは、ラ・マルセイエーズのいくつかの歌詞を変えることに賛成ですか？反対ですか？
　　　　　賛成　２８％　　　　反対　７２％

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シャンソンの受け入れ

　Aux armes et caetera* (邦題は「祖国の子どもたちへ」)というレゲー調のラ・マルセイエーズは、社会にショックを与えた。１９８０年６月４日、セルジュ・ゲンスブールが出演したストラスブールのコンサート会場は、押しかけた軍人たちによって、何人かの音楽家が舞台に立つことを拒否したくらい大混乱に陥った。しかしそのことは、セルジュ・ゲンスブールが熱狂的なツアーを続けることをすこしも妨げなかった。
* ラ・マルセイエーズの歌詞の一部、Aux armes, citoyens (市民よ、武器を取れ)を、Aux armes et caetera（武器を取れ、エトセトラ）に変えた。

* ラ・マルセイエーズの歌詞の一部、Aux armes, citoyens (市民よ、武器を取れ)を、Aux armes et caetera（武器を取れ、エトセトラ）に変えた。