中学4年生の公民教科書より
フランスで、市民であること 「市民」という言葉は、少なくとも二つの意味をもちます。フランス国籍をもつ男女は、フランス市民です。この市民としての資格は、権利と義務を伴います。しかし市民として行動することは、フランス市民だけに限られません。フランスに合法的に住む外国人も、市民として生活するのです。すなわち経済の発展および社会生活に参加し、法に従います。
政治的および社会的な、市民としての資格 市民の第一の権利は、投票する権利です。民主主義的な共和国では、市民は自分たちの代表を選びます。フランスでは、投票は強制ではなく、義務です。
市民は、さらに先に進みます。団体の中で活動します。団体の活動範囲はとても広く、多くのフランス人は、共和国の社会的価値を担い、人を助けます。
労働組合のなかでは、市民はまた労働者の権利を擁護する活動に参加します。
そして政党に入り、自分の考えを国政に繁栄させることによって、国の将来に影響をあたえようとします。
複数政党制 第五共和制の憲法は、政治的多元主義を認めています。すなわち政治的考えの多様性は、市民の考えの表れであり、市民の知るところなのです。政党は自由に組織され、活動することができます。しかし国民主権と民主主義を尊重しなければなりません。多元主義は、民主主義の本質です。すべての国がこれを認めているわけではありません。
民主主義を存続させる もちろん、フランスの民主主義は完全ではありません。すべての人に向けて与えられた権利を、自分の利益の方に向ける人がいます。不正義が存在します。しかし民主主義のみが、それらを告発できるのです。とりわけ報道の自由と、それらを罰する裁判によって。他の体制の下では、市民の境遇はしばしば最悪で、権利もまったく尊重されないか、制限されるのです。状況を変えるのはとても困難です。だから民主主義を存続させるのは、あなたなのです。
「私は市民の活動に参加しました。人生は、何度も体験を重ねることで素晴らしくなります。私は、この絶え間ない活動、再考、躊躇、希望、熱狂、共有する喜びといったこの感情が好きです」 ある政治活動家の言葉

大きな円は市民の全体。市民全体は、団体、労働組合、政党を含む。
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