<ジャーナリストの独立性についての世論調査>
あなたは、ジャーナリストが独立している、すなわち抵抗していると思いますか?
政党および権力の圧力に対して
はい・・・32%、いいえ・・・59%、無回答・・・9%
経済的な圧力に対して
はい・・・25%、いいえ・・・59%、無回答・・・16%
こんにち多くのテレビ局、新聞、雑誌が、大資本の所有となっています。あなたの意見では、
このことは、テレビ局および新聞社の所有者にとって都合が悪いテーマにについて追究することを妨げる・・・69%
このことは、まったく影響していない。なぜならば、ジャーナリストは独立性を示すことに成功しているから・・・20%
無回答・・・11%
Sofres Téléramaの世論調査、「ジャーナリストの独立性を十字架にかける」、2001年1月24日
<アメリカのジャーナリズムと愛国主義>
「我々の仕事においては、我々は客観的であると見られています。しかしこの国をご覧になると、極めて党派的であることがわかるでしょう」と、CNNのJohn King は語った。アメリカ国民の90%が、戦争の原因をテロリズムまで求めるジョージ・ブッシュのやり方に満足し、77%が、メディアが戦争を追いかけるやり方に満足しているのである。市民としての意識が、テレビ視聴者としての意識のなかに溶解していった。そしてテレビは、ミサをおこなうことを称賛するようになった。10月、CBSは「アメリカ反撃」とラッパを吹いた。CNNはこれに呼応して「テロに対する戦争に突入」と報じ、MSNBCとFoxNewsは、「アメリカ戦争に突入」を合唱した。MSNBCはこの戦争の鈴の音を、太鼓の連打までに大きくした。[…]
いくつかのタブーがある。「ここ10年間、アフガニスタンにおけるアメリカ合衆国の外交政策の失敗を根本的に問う見解が欠落しています。いくつかの周知の事実―例えばソ連に対してアフガン人が抵抗していた時期に、CIAがアラブ過激派を軍事教練していたこと―は、すでに言及されていることです。しかし、アメリカの報道機関はそれを掘り下げようとはしません」と、Daily Telegraph紙(イギリス)のパキスタン特派員は指摘する。北部同盟がアメリカの友軍になる以前に犯した残虐行為、あるいは世界のいくつかの地域で、アメリカ合衆国によっておこなわれた国家テロリズムについての沈黙も、同様のタブーなのである。報道は、幾千人のアフガニスタンの死者よりも、アフガニスタンで殺された一人のアメリカ兵をより大きく扱う。
これはプロパガンダのシステムのなかでの報道活動を暴露するスキャンダルであって、民主主義社会の良識をもつ大部分のメディアのことではない。
Olivier Pascal-Moussellard, テレラマ、2002年1月30日号
討論のやり方
<考える>
調査項目と回答欄を分析しなさい。記事を読んで、他の資料から得た情報と比較しなさい。これらの資料は、(このページにおいて提起された)問題に応えるために、どのような材料を提供しましたか?世論調査、世論の傾向、アメリカのジャーナリズム。これらは様々な観点をもち、回答のパターンも同じ視点に立つものではありません。ですから、質問に対する回答は含みをもつことになります。全体を把握するようにしなさい。ユーモアをまじえることは、笑いを誘うだけではなく、あなたを批判的な考えに導きます。
<それぞれの論拠を準備すること>
自分の意見をもち、自分の立ち位置を決めなさい。はい、信頼します。いいえ、信頼しません。信頼しますが、・・・
(例)
はい。
ジャーナリストがいないと、情報が手に入りません。多くのジャーナリストが投獄されます。また私たちに情報を伝えるために命を落とすジャーナリストもいます。ジャーナリストがいないと、民主主義はなくなります。
はい。
でも、すべてのジャーナリストがそうではありません。さまざまな検閲も考慮に入れなくてはいけません。信頼すると同時に、批判的でなければなりません。またジャーナリストの職務を守るために、かれらに手を貸さなければなりません。
いいえ。
「ジャーナリストは、どうでもいいことを語ります」。そして権力や金に屈服します。フランスでは、ジャーナリストは投獄されることはありません。批判しても、何の役にも立ちません。かれらは批判を聞こうとしません。
<自分の論拠を活用する>
だれかがあなたに意見を述べたら、それにたいする自分の意見を整理して、明確に述べなさい。あなたはその意見を、個人的な例、あるいはニュース(新聞、ラジオ、テレビあるいはインターネットから得た)を例に挙げて、説明することもできます。しかしあなたが例にあげる資料は多様なので、あなたが何について(フランス、世界あるいは民主主義)を語るかによって、あなたの答えにニュアンスをもたせなければなりません。
フランスの中学3年(日本の中2)の教科書「市民教育」より
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