
先買権地域に指定された地域

コート・ダルモール県の県議会に反対するトリュー川沿岸の住民
1992年5月コート・ダルモール県議会は、トリュー川両岸を先買権地域に指定することを決定した。
Saint-Clet市、Pommerit-le-Vicomte市、Pabu, Plouec-le-Trieux市、Squieffec市の沿岸住民はこの決定に反対し、トリュー川沿岸の先買権*に反対する会を結成。レンヌの行政裁判所、ナントの行政控訴院に次々と訴えたが、いずれも敗訴した。最終的には国務院[行政裁判における最高裁判所-訳注]へ上訴し、2002年2月8日に勝訴を勝ち取った。
* 先買権―公有地を個人に売り出すことを可能にする権利

法には、何と書いてあるの?
1789年の人と市民の権利宣言17条
「所有権は不可侵にして神聖な権利であり。それが法的に確認された明白な、公の必要性であり、かつ正当な条件の下での賠償が可能である場合でない限り、何人によってもこれを奪われることはない」。
結社の自由を定めた1901年7月1日法律の6条
「合法的に届け出たすべての団体は、いかなる特別の許可も必要とせず、公然と活動を開始することができる」。

国務院の判決
「先買権地域の指定は、その地域の景観の質、すなわち風景と自然環境の保護をめざすものでなければならない」。これが、トリュー川沿岸の住民がコート・ダルモール県議会の決定に反対したこの件について、国務院が行き着いた結論である。県議会は先買権地域の指定を正当化するために、この地域の指定が景観の質の保護に役立つということよりも、それによって住民が土手を散歩したり、釣りをすることが、所有者の拒否によって難しくなることはないことを強調した。先買権地域の指定のこの目的は、県議会が都市計画法典を誤って適用したことを明らかにしたのである。
①私は事実を認識する<資料

および

>
1.1992年、コート・ダルモール県は何を決めましたか?
2.トリュー川沿岸の住民の反応は、どのようなものでしたか?
3.住民が自分たちの権利を勝ち取ったのは、どこの法廷でしたか?
②私は法を認識する<資料

>
4.1789年の人と市民の権利宣言は、どのような権利を規定していますか。
5.1901年法の6条によれば、フランスの司法はどのような可能性を提供しますか?
③私は事実と法をつきあわせる<資料

>
6.国務院は、どのような決定をしましたか?
<資料

から

>
7.自分の所有権を守るために、法はフランス市民に何について保障を与えていますか?
作文することを訓練するこの「事件」が、民主主義の精神をとてもうまく示しているのはなぜかを説明しなさい。
フランスの中学4年(日本の中3)の教科書「市民教育―市民、共和国、民主主義」より
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