村野瀬玲奈さんが、社会党のオランド大統領候補の演説を紹介されました。それに触発されて、私も左翼戦線のジャンーリュック・メランション氏を数回に分けて紹介します。パリジャン紙3月10日付にのった読者との対談からです。

「私は、第五共和制最期の大統領になるでしょう」
4月22日におこなわれる大統領選挙の第一次選挙をまえに、左翼戦線*の候補者をサン・ウーアンの本社において対談をおこなった。
* フランス共産党、左翼党、統一左翼が形成した統一会派。欧州議会選挙、地方選挙で躍進した。
14時30分きっかりに、ジャンーリュック・メランションは「パリジャン」=「オージュルドュイ・アン・フランス」紙の読者と待ち合わせた。本社に着くなり、彼は編集部の隣にある大型印刷機を興味深そうにながめた。「見学することができますか?」「読者と対面」が始まって10年になるが、輪転機を見学したのはラガーマンのセバスチャン・シャバルだけである。
しかしまずは、左翼戦線の候補者の関心は、読者に向けられた。着席すると、さっそく質問を始めた。子どもは何人ですか?お住まいはどこですか?そして自分について語った。「私はこれまでいろんな仕事をやって来ました。私はたくさんのチャンスに恵まれました。いつもよい結果が得られました」。子どものころ、モロッコのタンジェで暮らしたこと、兄弟姉妹のこと、政治の世界に入ったときのことなど。
2時間半のあいだ、彼のプランについて気ままに対談した後で、この欧州会議の議員は、読者を説得して社内見学に誘った。「みなさん、よろしいですか?」みんなが「ウイ」と答えると、印刷室に向かった。
<雇用、経済>
Magali Darin=Repaut(25歳、法学部学生、パリ15区)
若者の不安定雇用に対して、どのような対策を提起しますか?
―それは極めて政治的なテーマです。私は、プレカリアートということばをつくりました。プロレタリアートとprécarité [一時的な雇用-訳注] をくっつけたわけです。もしあなたが終身雇用契約でないならば、あなたは金を借りることも、部屋を借りることも難しいでしょう。不正規の雇用契約が一般化してしまいました。採用の80%は、期限付き雇用契約です。そして若者が終身雇用を勝ち取るには、11年必要です。今後は熟練工、技術者、建築家などもそうなります。経営者団体のパリゾ会長は、「人生においては、何ごとも一時的précaireです。愛さえも。だから仕事も一時的でありうるのです」と言いました。私なら、もう一歩前に踏み出します。愛は永遠に,です。不安定雇用は、嫌悪すべき社会の病です。
「私は、個人事業制度も廃止する。これは最大級のペテンだから」
でも、どうやって若者の心をとらえるのですか?
―18歳から20歳未満、20歳の若者、もっと年配というように、カテゴリー別に政策を考えるという癖をやめることが必要です。もっと根本的な方法が必要です。公務職場には、85万人の臨時雇用者がいます。そのすべてを正規採用にする!民間においては、大企業にたいして不正規の雇用契約が従業員の5%を超えることを禁止する。中小産業には、10%を超えないようにする。そして個人事業制度* も廃止する。これは最大級のペテンだからです。
*2009年1月より、ジャック・アタリの経済現代化法によって導入した独立自営・会社設立の簡易化のシステム
JEAN-LUCBAKOWSKI(62歳、年金生活者、イヴリ-シュル-セーヌ)
あなたは、レストランの付加価値税が、外国人旅行者に税金を払わせる良い方法とわかっているのに、引き下げに賛成なんですか?
―レストランの付加価値税は、ファースト・フードのレストランとオーソドックスなレストランとの間に差をもうけています。左翼の人は、それを素晴らしいと思うでしょう。私はいつも、それは馬鹿げた考えだと思っていました。差をもうけることによって生じる税収の減少は、年間30億ユーロです。フランスの最も大規模な社会プラン―公務部門における15万人の削減―によって、国は年間5億ユーロ節約することになります。べつの言い方をすれば、レストランで享受する特典の代価は、公務部門の削減による節約の6倍に相当するのです。これは、スキャンダルです。この付加価値税は、討議し直さなければなりません。
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