政府刊行物によって要約された市民の行動様式
市民であること―
それは陪審員になること
陪審員になることによって、市民は国家の三大機能のひとつ、すなわち司法権に参加することになります。
陪審員は、選挙人名簿からくじ引きで選ばれた、普通の市民です。選ばれた人はすべて、委ねられた役割を果たさなければなりません(もちろん病気の場合は例外として、正式に免除が認められます)。選ばれた人の雇用者は、いかなる場合も、たとえそれによって長期間欠勤になったとしても、その人が参加することに反対することはできません(そのための欠勤を、制裁や解雇の理由にすることもできません)。
フランスの法律では陪審員制度は、刑法に関してのみ、より正確には犯罪(どちらかといえば、もっとも重い犯罪)に関してのみ設けられています。重罪院では、9人の陪審員が3人の職業司法官と並んで座ります。
この役割は重要です。なぜならば、陪審員(すなわち「普通の市民」)が熟慮のうえに形成した過半数がなければ、どのような判決も確定できないのです。そして法律に関して新参者である陪審員が、職業司法官から根拠もなく影響を受けないようにしなければならないからです。
いずれにしても陪審員になること、すなわちフランス国民の名において裁判をすることは、市民生活への参加の仕方のなかで最も象徴的なことのひとつです。
高校生向けの「市民についてのテキスト集」より
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