
国会は、5年ごとに改選される国民議会Assemblé nationale(資料

)と、9年ごとに改選される上院Sénatによって構成されます。年に9ヶ月の会期で、その立法権を行使するために開催されます。すなわち法案を討議し(資料

、

および

)、議決するためです。法案は、両院とも同じ文面で議決されなければなりません。両院が異なった議決をした場合には、国民議会の議決が優先します。なぜならば、国民議会は、直接国民によって選ばれるからです。それにたいして上院は、国民が選んだ代表によって選ばれるので、国民を代表する度合いが少ないのです。

国会は、民主主義を強固にする、あるいは国際的条約を批准する目的で、憲法を改正するために招集されることがあります(資料

、

)。両院合同会議Gongèsが開催され、5分の3の多数によって議決されます。
2.立法権と行政権は密接に関連し合う

共和国大統領は、国民議会の多数派の中から内閣を選ばなければなりません。上院議長は、共和国大統領の代行をつとめ、その任務を滞りなく果たさねばならない立場でもあります。

代議士と上院議員は政府をコントロールし、その活動を報告する義務を負っています。各大臣は、国会議員の文書あるいは口頭による質問に答えなければなりません(資料

)。もし大臣の職務遂行に犯罪や違法行為が疑われた場合、その大臣は共和国裁判所の法廷に告訴されます。代議士は不信任案を採決することによって、政府を倒すこともできます。

政府は国会の活動を統括することができます。すなわち議会の議事日程を、政府の提出する法案審議のために優先します。議決された法案の95%は、こうして成立します。憲法49条3項の定めるところによって、法案は代議士の採択に拠らないで可決されることさえあります。
<用語解説>
条文49条3項―政府が法案について責任を負うことを認める憲法の条文。もし代議士が不信任案を採決できなかった場合、法案は法律になる。
共和国法院―1993年7月27日に設立。共和国法院JRは、12名の国会議員(6名の上院議員および6名の代議士)と3名の職業司法官によって構成される。
代行―共和国大統領のバカンス中(一時的な不都合、辞職、死亡)に、その任務を滞りなく果たすこと。
不信任案―政府に対して代議士の不信をあらわす議案。絶対多数によって成立する。
法の多様性

いくつかの重要法案
1974年 成人を18歳からとする
1978年 情報の乱用から個人のプライバシーを守る情報処理および自由に関する法律
1981年 死刑の廃止 週40時間労働制から週39時間労働制へ移行
1986年 国営企業の民営化
1988年 生活困窮者の救援のための、社会復帰最低所得保障RMIの創設
1996年 大気汚染の制限を目的とする大気法

1981年10月9日の法律
第1条 死刑を廃止する・・・
第3条 死刑が執行されることを予定したすべての現行法において、この刑に関連する事項は、無期懲役刑に関する事項に置き換えられる。

1988年10月9日法律
第1条 困難にあるすべての人の、社会的および職業的復帰は、国の責務である。この目的に鑑み、この法律の定める条件の下に社会復帰最低所得保障を制定する。

国民議会―577名の議員が、民主主義を存続させる

代議士は長倚子にすわる。会派ごとに固まっている。

議員は自分の席、あるいはこの演壇において、マイクを通して発言する

政府席、各大臣が座る

委員会席、審議される法案を提案する

一般傍聴席

刑事の傍聴席

記者傍聴席

共和国大統領の招待席、大統領は国民議会に来る権利をもたない

議長席、議長は国民議会の審議を進行させる

投票掲示板
憲法改正

第五共和制憲法、1958年
89条 憲法改正の発案権は、首相の提案にもとづき、共和国大統領と国会議員とに競合的に属する。[…] 改正案は、共和国大統領が、両院合同会議に招集された国会議員に提出することを決めた場合は、国民投票にかけなくてよい。この場合改正案は、投票数の5分の3の多数を得てはじめて成立する。

両院合同会議において成立したいくつかの憲法改正
1974年 60名の代議士もしくは60名の上院議員が、新しい法律について憲法院に提訴できる権利。
1992年 マーストリヒト条約の批准を認める追加条文
1993年 司法権の独立強化

代議士は、政府をコントロールする

毎週水曜日の午後、代議士は政府の代表者たちに質問する。
中学4年生の公民教科書「明日、市民になる」より
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