cycle3(3-5年)の生徒は、制度について理解することを始めなければならない。最も重要なことは、制度の機能を覚えることではなく、制度が体現している原理あるいは価値、そして制度の一つひとつに対する市民の役割を発見することである。
公共サービス
どのように学習するかは教師に任せられる。
公共サービスには次の二つの種類がある。
―グループA→民間によっても保障されうるサービス。例えば、交通(国鉄、パリ市交通公団など)、通信(郵便局)、健康保護(公立病院)など。
―グループB→国によってしか保障されないサービス。例えば警察、軍隊、学校(私立学校が公立学校と同じ教育をし、区別なく全ての生徒を受け入れる場合は、公的サービスと考えられる)。
主題が何であろうとも、生徒は次の考えを段階的に理解するようになる。
公共サービスと市民の権利―
公共サービスは、国民すべての基本的権利が尊重されることを可能にする。すなわち教育を受ける権利、健康を守る権利、自由に通行する権利、国内においても国外においても安全が保障される権利である。
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公共サービスは、「サービスを販売」する時に、利益を追求することはしない。国に属し(企業全体)、国に支えられて機能する。しかしグループAは、無償である。必要に応じて、国民すべてがサービスを享受できる。
公共サービスと市民の義務―グループBの公共サービスは無料である。それによって国家は市民の権利を守るのである。しかし市民の側も、義務を果たさなければならない。すなわち社会的義務、法と公共の治安を守る義務、国を裏切ることなく、必要であれば国を守る義務を負う。
生徒には、民間の警察および軍隊は存在しえないことを学ばせなければならない。なぜならば、市民が何ごともなく権利を行使することを保障する、この二つのサービスは、市民の権利を抑圧する手段になりえるからである。
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