レジスタンス国民会議が確立したプログラムを基礎として、臨時政府は1944年3月15日、
国の再建と近代化を推し進めるために、一連の社会的および経済的改革に手をつけた。労働者たちは、「生産のための戦い」に勝ち抜くためのキャンペーンに動員された。
すべての賃金労働者のための「社会保障」制度の創設が、
福祉国家の始まりを告げた。経済の中枢である産業と金融部門の
国有化は、生産の再開を促進し、投資を調整するはずである。1946年政府プランを検討する委員会の事務局長であるジャン・モネが、近代化および整備についてのプランを練った。これらの改革の全体は、民間部門が巨大な公共部門と共存する混合モデルの創設につながった。
<鍵となる概念>
福祉国家 重要な社会的役割を国家がおこなう制度。病気、失業、老齢化にたいする保護を保障する。財源は、社会的分担金でまかなう。
国有化 それによって、国が民間企業の管理を引き受ける。
計画経済 国家がプランを練り、到達すべき経済目標を決める。それは命令(ソ連)であったり、指示(フランス)であったりする。
社会保障の原理と目的a)1945年10月4日の行政命令
社会保障は、誰にでも与えられる保障である。どのような場合においても、貧しい生活条件にある個人およびその家族の生存を保障するために必要な手段を、自由に享受できるであろう。社会正義に基づく正当な任務として、社会保障は労働者から不安を取り除くことを保障する。その不安は明日の生活の不確かさである。労働者につきまとうこの不確かさは、かれらの心を卑屈にさせる。そして現在も将来も保証されている有産者とのあいだに横たわる、根深い階級的差別を生みだしている。それは労働者につねに重くのしかかる貧窮への怖れである。
b)解放時に社会保障の理事長に任命されたピエール・ラロック
社会保障は、[…] まず、雇用の保障である。社会保障は、働いて報酬を得ているすべての男性、すべての女性に提供される。[…] 社会保障は、失業の排除へ導く。
第二に、社会保障は収入の保障である。労働者各人が、充分な生活資金を手に入れるようにしなければならない。
第三に、社会保障は労働する能力の保障である。労働者が自らの職業的活動を継続し、それによって生存に必要な生活資金が保障されるためには、身体能力を失わせうる要因から労働者を保護しなければならない。だから医療体制の問題もすべて社会保障の中に含まれる。
ピエール・ラロック、「社会保険から社会保障へ―フランスの経験」、国際労働雑誌vol. 57, n°6、1948年6月
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