「移行期の憲章」次の社説は、ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙の1945年8月3日付に載せられたものである。
それがこの数年間、ドイツについての連合国の考察の基礎にあった、理想、目的、意図を一般的な宣言の中に寄せ集めたもの以上でないにしても、ポツダム合意は感動的である。ひとつの近代国家を世界地図から消し去り、その根本的な変革を目的として十分に検討されたプランに従って、段階的に再建するための原理と体系が、パラグラフごとにここに記されている。このようなことは、過去に一度もおこなわれなかった。過去の戦争は、それが時々厳しい内容であったとしても、形式的な平和をもって終結し、決して敗戦国の存在を問題にすることはなかった。今日では、国家は解体されるのである。古いドイツは破産したと人びとは考える。[…] いずれにしても、人びとは新しいドイツの誕生を願う。それは国家という名に値するものではないであろう。それはまったく新しい社会秩序に基づくドイツである。
ニューヨーク・トリビューン紙、1945年8月3日
公職における脱ナチス化 1946年2月9日、ケルン市の人事課の責任者は、市の行政機関の罷免の規模についてコメントした。(旧ナチス党員全員の罷免によって)4,000名を超えていた公務員の数は、550名に減少した。[…] 当然、行政の仕事に少なからず支障が出てくるであろう。[…] すでにすべてのレベルに、その影響が見られる。そういうわけで占領軍当局は、かつてナチス党員であった職員のある程度の部分を復職するよう市に命じた。市によると、かれらはいかなる告発も受けないであろうということである。こうして選ばれた元党員は、四人中3人しか復職しなかった。[…] 軍政府は幾度となく介入を受けた。例えば学校教育の責任者は、学校現場や自分の所管する部署に、多くの元党員を復職させた。
Reinhold Billstein、新しい秩序の新しい出発、ケルン、1984年
<学習の足跡>
1.ポツダム合意の主な決議は、どのようなものでしたか?ドイツに関する連合国の基本的な目標はどのようなものでしたか?
2.ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙の論評を分析しなさい。第一次世界大戦の経過を参照しながら、なぜ論説委員が、このポツダム合意を根本的に新しいものであると考えたか説明しなさい。
3.脱ナチス化の実施が提起した問題は、どのようなものですか?そこから未来に向けて、どのような困難が生じますか?
4.ポツダム合意は、どのようにドイツの未来を決めましたか?
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