4.目標の共有
授業で学ぶこと(平等、違うこと、人類の一体性といった概念)を、子どもたちが少しずつしっかりと把握できるようになるために、この絵本に関しての「目標を共有」して進めましょう。
実践例
―絵本の授業の2回に1回は、たとえば次のような問いを出して、各自が思ったことを書かせます。「この間の授業で学んだことで、あなたの印象に残ったことは、どんなことですか?」
―およそ6回の授業のあとで、生徒たちに総括をやらせます。生徒たちがこれまでに書いたことをリストにして配り、次のような指示をします。「これまで授業のあとであなた達が書いたことを比較して、グループであなた達が考えたことを要約しなさい」。
―このグループでの作業はクラスの中で発表され、グループごとの相違点が整理されます。教師が整理の仕方について援助することが必要です。整理することは、生徒にとって難しいからです。枝葉のことから抽象概念へ、感じたことから観念へ、少しずつ移行することが重要です。
―結果(各グループで整理したもの)を、一覧表にまとめます。一覧表は、次の授業のときに参照します。授業が終わる度に、生徒たちは自分たちが到達したと思ったことについて、一覧表に印を付けます。
―新しい目標を追加することによって、一覧表は充実していきます。そして徐々にではありますが、生徒たちが意識するようになるに従い、自分たちの考えをまとめていくことが全体の目標になっていきます。
評価
学習の進み具合の評価は、次のようにおこなってください。
1.最初に呼んだ時の、生徒の反応を観察する。
2.生徒の作成したもの、とくに絵本の中で何が印象に残ったか、そしてどこに心を動かしたかを、作文によって分析する。
3.生徒が「目標を共有」しながら学習し、評価を形成していくことは、生徒自身が概念の把握の度合いを明瞭に把握することを可能にする。
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