
対象 小学校2,3年
動物と話せるインデアンの少年ヤカリの冒険物語。ヤカリは、迎えいれた人々の生活に迷惑をかける、迷い子で病気の、よそ者ペリカンを、友人たちに受け入れさせることができるか?
目的とする概念
連帯。他人の尊重と受け入れ。人種差別の拒否。違うということは、本当は厄介なことであり、受け入れた者たちの良心そして同情も限界に達することもある。
<前略>

「子どもたちに檄をとばしてるよ!」
「千口おじはいつも元気だな!」
「ここに、おまえたちの遊び小屋をつくるんだ!」

「下降が遅すぎた!あぁ!ぶつかっちゃうよ」
「危ない!みんなどくんだ!」

「バッシャン!」「ハクション!」

「何だ?こいつは・・・」

「君は誰?」
「クスン!おいらは・・・ハックション!」

「しろ、白ペリカン」。「風邪を引いちゃってね、クスン!」
「こんな鳥、見たことないな!」「ぼくも!」
「どこから来たの?」

「それが迷ってしまって、まったくわからないんだ。風邪がひどくてね」。
「おじいちゃんが、高く飛べば治るっていうんで・・・クション!」

「それで、クスン!高く上がると、雲の中に入っちゃって・・・」
「もう、どこを飛んでるかわからなくなっちゃって、クスン!」

「雲の中で、風邪がよけいにひどくなって・・・それで君たちを見たんで、ここに降りてきたわけさ」。
「どこかよそで治してこいよ」。
「ここは、ものを壊すよそ者なんてごめんだよ」。「クスン!」

「でも千口おじ、このまま追い立てるなんてできないよ!」
「なにも、来てくれって頼んだわけでもないよ」。
「そりゃ、そうだけど。来てしまったんだから」。「クスン!」

「まあ、まてまて!」
「もう日も暮れることじゃ。おまえさんもずっと水の中にいる訳にもいかんだろうから。おいで、ペリカン!わしが面倒見よう!」
「クスン!」「クスンだって!」

「わしの小屋においで。乾いた草の上で寝るといい!」
「明日、様子を見に来るよ。お休み、ペリカン!」「お休み、クスン!」

「グーグー」
「クション!」「グーグー・・・?」
「クション!ハクション!」「

」

「とんだ夜になってしもうたのう。もう、精魂尽き果てたよ。50回も、くしゃみをしたんじゃから。ちっとは堪えるようにせんとな!」「クスン!」
「ハクション!」

「ペリカン君は、よく眠れただろうな・・・」
「!?」「ハクション!」

「ヤカリ。このよそ者は、もうここでは一晩だって寝せないぞ!」
「でも、木堤じい。少しは辛抱しないと」。
「わしゃ、言ったはずだぞ!このよそ者は、一晩もここにおることはならん!」

「こうなったら、ぼくが面倒見るしかないな。ペリカン君、ぼくについておいで」。
「クスン!」「やれやれだ!」

「こっちへ来れるかい?」「クスン!」
「パタン★」

「クスン!」「それにあるけるのかな?あいつ・・・」

「クション!」
「こりゃだめだ。とてもキャンプまでは行けそうにないな・・・」
「小雷鳴、おまえの背中に乗せよう!」「?」
「ほら、もうちょっとがんばって!」

そしてやっとの事で・・・
「クスン!」「見つからないようにしないとね」。
「だいじょうぶそうだね」。
「急いで入って!」
「クション!」

「そこにいるの、ヤカリなの?」
「そう」。「僕たちと遊ぶために戻ってきたのかい?」
「違うよ、小野牛。ぼく、風邪を引いちゃったんだよ。クスン!」
<中略>

「あんなすごいくしゃみ、聞いたことないや!」
「クスン!いろいろ迷惑かけるね、クスン!」
「やはり治療が必要だ!」
「小雷鳴、彼を連れて行こう!」
「やっぱりビーバーたちの助けがいるよ!」「クスン!」

「とんでもない!もうさんざん迷惑をこうむっとるのじゃ」。
「そうさ、さっさと自分のところに戻りな!」

「仕方がない。ぼくらでなんとかするよ!」
<続く>
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