
「ヤカリ、この鳥のお陰で、おれの耳、聞こえなくなっちゃうよ!」。
「あぁ!おまえまで、彼らと同じことを言うのか!」
「ところで、必要なのは、小枝と石と火だね!」
「でも、なにから始めようか?」
「こっちだよ!」「!」「クスン!」

時間が経って
「ありがとう、菩提樹!君たちのお陰で、ペリカンは早く良くなるよ!」「クション!」
「後は、焼けた石に水をかけるだけだ」。
「さあ、この中に入って!」「クスン!」

「うまくいくと思うかい?」「サウナがいちばん良い治療法といわれてるけど・・・」
「ハクション!クスン!」
<中略>


「どう?良くなった?」「それが・・」
「はっはっはっ!まんまと喰わされたな!」

「だいじょうぶ、治ったみたいだ。死ぬほど腹が減っちゃった!」
「そりゃ、そうだろう。ずっとあんな状態だったんだから・・・」

「この川には・・」「魚がたくさんいそうだね・・・」

「あっ!いた!」

「クション!」「無理だ!!」

「あぁ!やっぱり無理だった!」
「どうなる?」「おそらく二回目のサウナは耐えることができないだろう!」

「すぐに上がっておいで!」「でも、腹ぺこだよ」。「前より、悪くなったみたいだね!」
「ぼく、魚を捕るやつ、知ってるよ!」

「カワウソに頼むんだ!」「月桂樹、それはいい考えだ!」「ハクション!」
<中略>

「クスン!」「こんにちは、カワウソ諸君!」「おぉ!我らが友、ヤカリだ!」
「こんにちは!」「小雷鳴の背中に乗ってるものは、何だね?」

「そう、それを君たちに説明しなきゃ・・・」「そういう訳で、できれば彼のために魚と捕まえて欲しいんだけど・・・」

「それはかわいそうだ!」「おれたちにまかせとけよ、ヤカリ!」「ちょっとまてよ・・・」
「昔、こういうことがあったような!」

「ほら、捕まえたぞ、ペリカン!」

「ぺろり、美味しい!」「これだけ?クスン!」「!?」

「わしたちは、これで一日分さ」。「でも、ぼくはまだ腹ぺこだ!」「え!」
「クスン!」「わかった、もっと捕まえよう!」

「よかったね。みんな親切で!」「そうだね。みんなとても親切だ!」

「受け取れよ、ペリカン!」「これなんか、どうだい?」
「パクパク。サンキュー!」
「ありがとう!」「これが続けば、この鳥もすぐに元気になるだろう!」

昼になっても、続き・・・
「やっと思い出したぞ・・・」(ヤカリとグリズリーを参照)

夕方になると、みんなぐったり。
「こんな大食いは見たことがない!」「めまいがしてきたよ!」「もう限界だ・・・休ませてもらうよ」。

夜は!!
「クション」「うるさくて眠れないよ、ヤカリ!」「彼の所為じゃないよ。わかってあげないと!」

「ぼく、また腹減ってきたんだけど・・・」「みんな、君のことを、心から好きなんだよ、ヤカリ!」
「それもすべて、知りもしないやつのためとは・・・」「ハクション!」

その日も過ぎて、
「まだ時間がかかると思う、ヤカリ?」「クスン!」「彼らもぼくと同じくらい疲れてるんだよ。それをわかってやんなきゃ!」

「ほら、帰ってきたよ!」
「一匹だけ?」「この辺の魚は、みんな喰っちまったんだよ!」「あんたが、魚がいるところ知ってたら、そこまで捕まえに行ったのに・・・」

「でも、おいらはまだ腹ぺこなんだけど・・・」「そうかもしれない。でも、もう我々を当てにしないでくれ。他所で、腹いっぱい喰ってくれ!!」「クスン!」



「クション」
「昨夜も、風邪は治ってないみたいだね・・・」

「カワウソたちが、元気を回復してればいいんだけど・・・」

「ヤカリ、おまえに話しがある。おれについてきてくれ!」
<続く>
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