
「バシャン」

「あっ!魚たちどこに行っちゃたの?」

「あのペリカンかい?!」

「なんてこった!」「ほんとうに君なの?」「どうしてここへ?」
「そうだよ、おいらさ。君たちの役に立ちたくてね!」
「ありがとう。ほんとうにたすかったよ!」
「(あんなことの後で)なんだか気恥ずかしいな!・・・」
「君たちにはお世話になったからね、その恩を返せて嬉しいよ」。

少し経って・・・
「次は、っと!」「あぁ、いたいた!」

「久しぶりだね。おいらの友達!」「あっ!ペリカン!」「元気になったみたいだね・・・」

「君にまた会えて嬉しいよ!」「君のこと、ものすごく心配してたんだ。ほんとだよ・・・」
「君たちは、おいらにすごく親切にしてくれたね」。「これから一緒に遊ぼう!・・・」

「菩提樹さま、どうぞ私のくちばしの中にお乗りください!」「?」「!?」
「しっかり掴まって!」
「わーい!」

「すごい!ぼく、飛んでるんだ!」「ここからだと、あちこち見えるね!」
「あすこがぼくの村だよ、わかる?」

「おっと、気をつけ・・・」「ああぁ・・・」

「やれやれ!」

「今のおもしろかったね!もう一度やる?」「おとなしくして・・・じっとして・・・」

「見て!ヤカリと小雷鳴!」
「やあ!」「!!」「うー、こ、こんにちは!」

ペリカンのおかげで、ビーバーの子どもたちは、みな空を飛ぶことができました。
「もう最高!」
「子どもたちには、思いがけないプレゼントになったね・・・」
「なんて優しい奴だ!」「あの鳥、疲れる様子もないな!」「見違えるほどだ!」
「なんと優雅に飛ぶのだろう!」

「おれたちは、ちょっとペリカンに厳しくあたったかな・・・」
「あいつは、そのことを悪くは思っとらんよ。寛容の手本のようなものじゃ!」
「なんという気品だ!彼は素晴らしい!・・・」

「荘厳だ!」

「まさに彫刻だ!」

「我が輩の歯がむずむずし出した・・・」

「着いたよ!」「よそ者、万歳!」
「人気を独り占めだね!」「君の言うとおりだ!」

「あんたのおかげで、子どもたちは大喜びじゃよ」
「おいらも楽しかったよ、木堤じい・・・」
「でも、もう別れる時が来たみたいだ」。
「べつに急ぐ用事もないのじゃろ。明日は明日の風が吹くというじゃろうが」。「もう少し休んでいってはどうだ・・・」

そしてその夜、森の住人はみな深い眠りにつきました。ただ一匹を除いて・・・

「おい、ペリカン!こっちへ来てくれ!!」

「鑿のような、わが輩の自慢のこの歯は、インスピレーションも沸くのだ!」
「見てくれ!」

「ペリカン、このトーテム群は、君がわれわれの村に滞在したことを記念して永遠に保存されるのだ!」
「二枚歯さん、あなたは偉大な芸術家です!」

時が経って・・・
「そう言わないで、ペリカン。もう少しいてくれ」。
「そんなに早く行かないでくれ・・・」
「来たばかりじゃないか!」
「別れがたくなったみたいだね!」「驚くほどの変わり様だ!」

突然・・・
パタ、パタ、パタ・・・

「見つけるの苦労したぜ・・・」「さいわい、君の彫刻を見つけたんだ!」
「おい、この辺じゃすっかり人気者じゃないか!」
「この川は、魚が多いな!」「この辺は、なかなか素敵なところだ・・・」
「この近くに越して来ようか・・・」


「そうだね・・・いやそうじゃない・・・つまり・・・これは話しておいた方がいい・・・」

「でも、話してもらってよかったよ!」
「おい、みんな。そろそろ引き上げようぜ!」
パタ、パタ、パタ・・・

「さあ、いよいよ、お別れの時がきた。いろいろありがとう!」
「さよなら、ペリカン!」
「大好きだよ、よそ者君!」
「ぼくも!」「おれも!」「おいらも!」「わが輩も!」
「ウムー、おれもだ!」
-終わり-
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