絵本の発見
最初は、特別の指示を与えず読ませることです。その後で、一人ひとりに次の質問をします。
―あなたがなりたい登場人物はだれですか?それはなぜですか?
―あなたがもっとも好きな登場人物はだれですか?それはなぜですか?
―あなたがもっとも嫌いな登場人物はだれですか?それはなぜですか?
答えはもれなく書き留めます。これらの答えによって、絵本のメッセージがどの点まで捉えられたかを知ることができ、また読むことにたいする手助けをどのようにしたらよいかを知ることができるからです。そこで二度目の読書に入ります。その際、次のページに注意が向けられるようにします。

5~6ページの音響化
物語の音響化は、絵本の他の部分を読むきにさせます。とりわけ声の調子は、登場人物の気分を掴むことができます。

8ページ
3コマ目を例に出して、よそ者にたいする、いろんな登場人物(先口おじ、ヤカリ、木堤じい)の応対について討論させます。これらの態度の違いから何を考えるか。手厚いもてなしとはどんなものか?

「ここは、ものを壊すよそ者なんてごめんだよ」。

16~17ページ
―物語の主人公たち―ヤカリ(どのようなトラブルに遭うのか?)、ペリカン(どのようにして切り抜けるか?)―の二つの視点を、物語から捉えてみます。
―子どものビーバーのよそ者にたいする反応が、大人とは違うことに注意を促します。

28~29ページ

28ページの2コマ目(よそ者を追っ払おうとする動物たちの騒動)の吹き出し部分をの内容を消して、次の指示を出します。
a.吹き出しに、動物の言いたいことを書きなさい。
b.あなたは何と言いたいですか?

29ページの学習に連結させ、次の質問をします。
a.ヤカリはどうしますか?
b.あなたがヤカリの立場だったらどうしますか?
c.ビーバーとかわうそたちがよそ者を追っ払うことは、正しいですか?間違っていますか?
28ページのシーンは、現代史の悲しいエピソードを考えさせます。すなわちロシア・ツアーリズムのユダヤ人虐殺、50年代のアメリカ合衆国における黒人にたいするリンチ、これらの出来事は、ユダヤ人や黒人に対する集団的反応が悪用されたとき、支配者によって引き起こされました。

35~45ページ
この10数ページを注意深く読ませて、ぴったりくる題をつけさせます。(立場の逆転、ついに受け入れられたよそ者、ペリカンの心の大きさなど)
あなた[教師]が選んだ場面に、各グループが選んだいくつかのコマを挿入させます。あとでその理由をみんなの前で発表することになります。これは新たなエピソードを理解するとともに、すでに見てきたことの説明にもなります。(絵本が、省略の技法であることがわかります)
重要なことは、生徒が付け加えたコマが、絵本が言いたいこと、とりわけ登場人物のあいだの関係と一致していることです。そして絵本ができあがる過程を知ることです。

46~47ページ(最後の新展開)
ペリカンの植民は、ビーバーの生息地になされるのだろうか?47ページの原住民(ビーバーやかわうそ)の表情は、様々な感情をあらわしている。これらの反応を吹き出しで付け加えます。
スポンサーサイト
trackback URL:http://billancourt.blog50.fc2.com/tb.php/802-15a43e41