二大政党制が疲弊した日本において、ナショナリズムが台頭日曜日の総選挙で、大阪市長と前東京都知事は、日本維新の党を日本の第三の勢力にしようとしている。
リベラシオン紙(12月14日付) ARNAUD VAULERIN 特派員(大阪)
*部分訳です
主役たち
精力的な大阪市長である橋下徹43歳、そして騒々しい前東京都知事の石原慎太郎80歳は、日本の政治の右転換を体現する。
「お二人とも立派な主役です」と、大阪維新の会の責任者である東徹は喜びを隠せない表情で語った。石原は、14年にわたって東京のトップであった自らの行政経験を当てにしている。この二人の主役で、少なくとも60議席は獲得するかもしれないと言われている。尖閣列島上空における中国機の飛行の後、二人はすべてにおいて一致からほど遠かった。しかし二人は、祖国防衛の警鐘を鳴らしながら、広範な選挙運動を展開するために、彼らの違いをさしあたり脇に置くことができた。「二人はひとつの原理を共有する。それは、一市民の声を聞くよりも、自分たちの利益を守ろうと考える政治家を排除することです」と、大阪市議会議長の朝田均は説明した。
国歌
弁護士でトークショーのタレントであった橋下徹は、一躍日本の政治のスターとなった。昨年市長になる以前から、大阪市を、周辺都市を併合した大都市圏にする野望を持っている。広い行政区域をもつ、一種の準東京である。彼は社会扶助の予算を引きはがし、教員組合と対決し、言うことを聞かせ、勤務評定をするために公務員を罵倒し、学校で国歌が歌われるために闘った。生彩なく同意するだけの政治家が多い中で、橋下は、ずけずけとものを言い、滝のようなツイッターで、相手を切る。「自民党と民主党の二大政党制を批判することで、頭角を表すようになった。新鮮さと敏腕さを保つために、それを続けることが得策だということを、彼は知っている」と、北海道大学の政治学者であるヨシダ・トム(ママ)は分析する。
この声高な政治とともに、彼は同盟者である石原慎太郎に接近する。日本の政治をきな臭くする、このポピュリスト爺さんは、80歳になっても中国を罵ることを止めない。尖閣列島をめぐって、東京と北京との関係を危機的状態に陥らせた元凶である彼は、日本の軍国化をいっそう推し進め、核兵器を保有することを願っている。火曜日、彼は「日本はチベットのようになりえない(ママ)」と表明した。石原と橋下は、アメリカによって押しつけられた、「忌まわしき」憲法を嫌悪する。憲法によると、「日本国民は、国際紛争を解決する手段としての戦争、または武力による威嚇、または武力の行使を永久に放棄する」。
アイデンティティの危機に陥った日本において、ティ・パーティや新自由主義右派から借りてきたこれらのテーマ、そして独裁的あるいは絶対自由主義的潮流が、人びとの心を掴む。大阪維新の会が3月に開設した政治塾には、弁護士、医者、管理職、サラリーマンなど、およそ3000人が応募した。そして最終的に約800人が、セミナーを受けるために残った。セミナーの内容は、統治機構の変革、「経済の(規制緩和による)自由化の必要性」、教育の自由化、「増税の不可避性」、あるいは「行政支出および議員の削減」である。要するに、代議士見習いのための、橋下イズムの手引き書である。
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