12月16日、日本では総選挙が理不尽な結果を示しましたが、同じ日、私が住むブローニュ・ビヤンクール市では、ルノー工場の跡地であるセガン島の開発をどうするか、3案から選ぶ住民投票がおこなわれました。日本のどこかの市長のように、当選したら白紙委任ではないのです。投票の前に、説明会や住民討論集会が開催されました。

市役所の正面玄関に投票状の案内 街中のポスター
(市長の呼びかけ文)
セガン島―あなたの計画を選択してください。
1992年のルノー工場の閉鎖から20年、ついに整備計画の実施にこぎつけました。数週間後、島の二カ所に、民間および公共の文化プロジェクトが具体化することになるでしょう。
―民間の投資家の一つであるNatural Lecroultreというスイスの会社が、島の上流付近に、造形芸術とビジュアルな国際拠点「R4」を建設する許可を、2013年の初めに申請します。この敷地は、Madona Bouglineによるサーカス芸術都市も受けつけることになっています。
―オート・ド・セーヌ県議会は2013年の前半期に、民間―公共の参加団体を介した、音楽都市の建設にかかわる討議を終えることになります。
プロジェクト全体の最終決定の選択を皆様にお願いします。
これまで多くの人の意見を聞き、熟慮の結果、全く違う三つの異なったプロジェクトを用意することを、ジャン・ヌーヴェルJean nouvelに依頼しました。
なぜジャン・ヌーヴェルか?それは彼が2009年に、都市計画の助言者を求めた際、建築家・コーディネータに選ばれたからです。この選択は、文化省、オート・ド・セーヌ県議会、ブローニュ・ビヤンクール市が進めたプロジェクトが、国際的な文化的価値をもつという願望に沿うものです。
次のことを、皆様方に保証します。
‐提起された三つの仮定において、支出総額が建築(商業、事務所、活動拠点など)の権利売却の売却額が一致すること。
‐あなたに判断を委ねる都市整備についての三つの計画が、財政的に同額であること。
数日後に予定されている、説明会および情報提供の公開討論会の後で、あなたがブローニュ・ビヤンクール市に適切であり良いと思うことを意思表示できます。
私の仕事が完了し、今あなた方の意見を求めることができることを喜びたいと思います。
私は、あなた方の選択を尊重することを誓います。
イル・セガンの将来、ブローニュ・ビヤンクールの将来のために。
ブローニュ・ビヤンクール市長、大パリ西セーヌ圏議長Baguet
私はあなた方を当てにしています(署名)
(三案の紹介)
三つの計画案ともバランスがとれています。
(第1案) いくつかの文化施設
・ 下流の方には、県の音楽都市。4000座席の大ホール、1000座席の音楽ホール、音楽団体のためにスペース(オート・セーヌ県の聖歌隊)
・ 上流の方には、現代芸術のための多目的施設。展覧会場、ギャラリー、芸術家のアトリエ、売店など。そしてデジタル・サーカスMadona Bouglione。
・ 中央部分には、映画の総合施設(16ホール)とデジタル芸術のための公的施設。文化的ブティックを含む商店街。
(第2案) 持続可能で模範的な島
セガン島は都市および環境の実験場になる望みを持っている。
―暖房、冷房の65%は再生エネルギーでまかなう。
―雨水が利用できるように処理する。
―自動車の乗り入れを禁止した、歩行者優先の島にする。
―開かれた公共の場所。樹木に覆われた公園、散歩道、テラスなど。
―公共交通、とりわけ将来大パリ急行線のポン・ド・セーブルーイル・セガン駅にアクセスできるようにする。
(第3案) 大パリ行きのエスカレータの出発点
セガン島の特別のプログラムは、大パリと直結する場所になることです。それは、ブローニュ住民にとって最も大きな特典となることでしょう。この計画は、セーヌ川、丘陵、首都パリの全体を考慮に入れた革新的な建築物を提供します。
これら三つの計画は、島の周りを一周する散歩道、ルノーの産業、社会および人に関わる歴史を刻む建物、総合スポーツ施設が皆さんを迎えます。
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