授業の活力についての言及
教師があまりにも重く考えると、この授業の活力が失われる恐れがある。もし出来事、身分、概念の一つひとつに細部にわたって立ち入るならば、数時間の授業では足りないことは言うまでもないことである。
肝要なことは、いくつかの衝撃を生徒に与えることである。たとえば農民の排除、違う身分の議員とは議論をしないこと、身分ごとの投票にするか個人による投票にするかによって、結果が異なってくることなどである。これらの衝撃は、歴史的出来事そのものよりも、民主主義、市民としての価値、政治的平等といった鍵となる概念により結びついている。
複雑な歴史的出来事については、教科書に載っている手引きさえ放棄し、クラスがつくり出した状況を中心に据えた授業にするべきである。
<授業1>
授業1では、第三身分に生徒を割り振る割合が重要である。この時代のフランスで大部分を占める農民の割合を多くするにしても、第三身分―ブルジョアジーともいうが―の議員が、聖職者の支持がなくても、個人による投票において優位に立つためには、その数を充分に多くしておかなければならない。埒外に置かれたままの農民の数が多いほど、欲求不満と不公正の感情が大きくなる。
<授業2>
授業2は、歴史的出来事が急展開するのに合わせるように、手際よくやらなければならない。第三身分の議員の大胆さには。時々目を見張らせるものがある。農民は議論に参加するし、彼らの要求を第三身分の議員が考慮に入れるようであれば、控えめにしようと努める。
憲法の基本的な概念は、討論の途中で生徒に説明しなければならない。学級委員会が定期的に開かれているならば、あるいは学校委員会が存在するならば、教師のこの仕事はやりやすくなる。
結論として、歴史的出来事の相互連関、急速な展開、その歴史的意味は、年代史の帯の形を取って示されるであろう。いずれにしてもそれらは、教師が自分のものにし、要約された要素としてクラスに提示されうる。
6月10日 第三身分(648名の議員と補欠、その中の4分のが自分の権利を行使)が単独で、全議員を対象にした資格審査をおこなうことを決定。
6月13~14日 聖職者の何人かが、第三身分に合流。
6月17日 第三身分が国民議会の名称を採用し、課税を議決する権利を取得。
6月25日 270名の内、50名ほどの貴族の議員が、議会に合流。
6月27日 国王が二つの特権身分に対して、第三身分に合流することを命令。
7月8日 憲法制定委員会を設置。
7月9日 議会が、憲法制定国民議会の名称を採用。
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