リベラシオン紙1月29日付の、安部新政権の原子力政策と原子力規制委員会についての記事です。福島の現地報告(次回紹介)とセットになっています。
エネルギーの輸入を減らすために、安部晋三は原発を再稼働しようとする
日本は、慎重な運転と安全性の確保という決まり文句を繰り返し、原発の再稼働と新たな原発の建設を準備する意向を示した。12月末に政権についた右翼は、2030年代の終わりまでに原子力エネルギーへの依存をゼロにするとした前政権の「画期的な戦略」を捨て去ろうとしている。「民主党は、どちらかというと民意を考慮に入れ、政府独自の分析を好んだが、安部晋三率いる自由民主党は、エネルギーに依存した経済効果により専念しようとする。現在50基ほどある原子炉のうち、2基のみを稼働し、東南アジアのガスおよび中東の石油を輸入している(年間223億ドル)」。東京を本拠とするエネルギー経済研究所は、もし今から2014年までに原発の半分を稼働するならば、日本は150億ユーロ節約できるであろうと算定する。
NRAの結論
同時に、昨年の9月に設置された原子力規制委員会NRAが独自の安全基準を決める、7月を待たなければならない。今のところNRAと田中俊一委員長は、自らの役割をきわめて真剣に受け止めている。すくなくとも見かけは、原発推進の強力な圧力団体との共謀によって、フクシマ後に権威を失った規制機関、すなわち前身の原子力・安全保安院Nisaと一線を画すことに気を配り、繰り返し自らの立場を明らかにしている。NRAは原子炉の30年以上の稼働については、厳しい態度を示した。地形に関しては、19箇所を対象とする。それまでとは異なり、NRAはオペレターに、新たな基準に従うために必要な工事を義務づけることを望んだ。例えば自然災害やテロリストの攻撃に備えた予備の制御室の建設、濾過装置付き換気設備、そして安全、避難、二重三重に防護された作業現場などである。
断層
少なくとも二つの点で、原子力と格闘するには困難がともなう。第一は、原子炉付近の地下を走る断層である。地層が再稼働するに充分な安定性を有しているかどうか調査を必要とする原発は、すくなくとも8つある。もしこれらの断層が今でも活動的であるならば、再稼働の準備は注視しなければならないと田中俊一は何度も警告している。少なくとも3つの原発は、閉鎖の対象とされている。「交渉の余地はある。政府の責任者は折り合う可能性はある。この断層に関する危険性を克服するための工事に取りかかることは可能である」。この問題は、国民を安心させる教宣活動へと、政府を駆り立てるように思える。政府は、「30年前につくられた原子炉、重大な事態を招いたフクシマの原子炉」とは違う、「新しい原子炉」についての教宣も約束すると、12月に安部晋三は説明した。
少なくとも6つの建設に関する案件が、NRAで検討中である。これらの要請に対する新しい原子力制御機関の決定は、今から数週間後におこなわれる。
東京特派員 ARNAUD VAULERIN
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