
長い間、ご無沙汰いたしました。これからぼちぼちと、フランスの教育について紹介していきたいと思います。視力と集中力が落ちてきましたので、ゆっくりペースとなります。
先日、教科書書店にて、哲学の教科書を購入しました。哲学は、高校3年生の必須科目、文系コースが週8時間、経済・社会系が4時間、理系が3時間です。バカロレア(高校卒業と大学入学資格試験)では、かなり高い点数配分になっています。試験は記述式。メモ用の用紙は可ですが、鉛筆、消しゴムはダメ。
教科書の目次を見ると
主体―意識、無意識、知覚、他者、欲求、存在と時間
文化―言語、芸術、労働と技術、宗教、歴史、
理性と現実―理論と経験、論証、解釈、生者、物質と精神、真理
政治―社会、国家、交流、正義と権利
となっています。
そして、例えば「社会」の項目では、
「社会をどのように定義するか?」→「社会を、何らかの団体と区別するのは何か?」、「人間の社会を動物の社会と区別するのは何か?」、「社会的関係とは何か?」
「なぜ人は、社会の中で生きるのか?」→「人は社会の中で生きるよう定められているのか?」、「個人を結びつけるのは、感情の力なのか、あるいは理性なのか?」、「人々が社会で生きることは、共感によるのか、対決し合うためなのか?」
「社会は、個人の開花の障害となるのか?」→「個人と社会との対立は、乗り越えられるのか?」、「社会の決定を理解することは、我々を自由にするになるのか?」
バカロレアでは、このような問題が出るのでしょう。
教科書では、テーマごとに、プラトン、アリストテレスからマルクス、現代思想家の引用と解説が掲載。そういえば、メトロでショーペンハウエルの本を読んでいた青年を見かけました。バカロレアに備えてだったかも・・・
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