
Le Monde.fr| 19.03.2013
カリム・ベンゼマ選手「マルセイエーズを歌うことを、僕に強制しないでくれ」
フランス―セルビア戦で、マルセイエーズが歌われる間のカリム・ベンゼマ選手とサミル・ナスリ選手
カリム・ベンゼマは、愛用のスポーツ・カーを、超スピードで乗り回す。スピード違反で、18,000ユーロの罰金と、8ヶ月の免許証没収を喰らったところだ。もちろん所属するレアル・マドリッドでは、得点を稼ぐ。スペインの国内選手権の開幕以来、8ゴールを決めている。その代わり、ワールド・カップの試合前では「ラ・マルセイエーズ」を歌おうとしなかった。3月22日にフランス・スタジアムでおこなわれるW杯予選のフランス―グルジア戦では・・・
3月19日、このフランスチームのアタッカーは、RMC(スポーツラジオ放送)で、なぜ自分の国の国歌を歌おうとしないのかについて語った。「僕がハットトリックをしたからといって、それはラ・マルセイエーズを歌ったからではない。僕がラ・マルセイエーズを歌わなくても、試合は始まるし、僕がハットトリックをすることもある。みんな試合の結果のことより、ラ・マルセイエーズを歌わなかったことを話題にするみあたいだね」。
「冷静にならなければ」
このフランス代表のアタッカーは、2012年6月いらい予選でゴールを決めることはなかった。そして「それは気にしてるよ。だってフランス代表として、ずいぶん長く得点してないからね。でもそれは、僕がフランスチームを好きじゃないからだというのを聞くけど、まったく関係ないよ。もう少し冷静になるべきだ。僕は、フランスチームが大好きだ」と語った。彼はもう一度、フランスチームへの愛着を思い起こしたように、「フランスチームでプレーすることは、僕にとって夢なんだ」と念を押した。
ただ、国歌を歌うことを拒否する選手はベンゼマだけではない。「ラ・マルセイエーズを歌うことを、僕に強制しないでくれ。たとえばジダーヌは、押しつけられて歌うことはしなかった。他にもそういう選手がいる。僕には、どうして問題になるのかわからない。歌わないサポーターたっているじゃないか。スタジオの全員が、ラ・マルセイエーズを歌っているわけじゃないよ!」と25歳のアタッカーは主張した。彼の発言が、ネット社会に火をつけた。
国民戦線は声明のなかで、この国際的サッカー選手について不快感を示し、カリム・ベンゼマをフランスチームから外すように求めた。「1時間あたり1,484ユーロも払っているこのサッカーの外人傭兵は、運良く手にしたフランスチームのユニフォームに対して、信じがたく容認しがたい侮辱を示した」と、この極右政党は遺憾の意を表した。「カリム・ベンゼマは、ラ・マルセイエーズを歌わないことをなんとも思わない。フランス人も、彼がフランスチームのためにプレーしないことを何とも思わないだろう」。
元フランス代表のパトリック・ヴィエラは、ル・モンドとの対談の中で、国歌を歌わないフランス代表を非難する人たちに対して次のように答えた。「私は理解できない。それは表面的な問題だ。私は国歌を歌わなかった。 そのことで、闘争心がなくなることにはならない。リリアン・チュラムは歌った。それは、かれが自分よりもフランスを愛していることを意味しない」。「あの頃は・・・」と、ミシェル・プラティニは自分の時代を振り返った。「誰もラ・マルセイエーズを歌わなかった」。
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